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薬剤師が独立・開業をする前にするべきこと7選!

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私は今後、薬剤師として独立することを強く考えており、今回はそのために以前から調べていることや、心がけていることをまとめてみました。

薬剤師として、独立や開業を考えており、独立前にするべきことや、独立のメリットやデメリットを知りたい方は、是非参考にして下さい!

以下、目次となります。

目次

 

薬剤師が独立・開業をする前にするべきこと7選!

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薬剤師が独立を考える前にするべき事は多くあります。今回は、その中でも、特にしておいた方が良いことについて、以下にまとめました!

1.医療に関しての知識を広く吸収しておく

独立・開業する薬剤師は、医薬品情報のトレンドはもちろんの事、経済ニュースや医療に関しての改革、地元や地域の情報を吸収しておく必要があります。

また、医師と一緒に開業する場合は、医師の診療科の医療知識や、よく出る処方内容や処方意図のすり合わせを行った方が無難です。

検査器具や、処置などは、医師の方が詳しいので、検査や医療用語など知らない事があれば、事前に頭にいれておきましょう。これは、門前の医師に疑義照会を行うに当たって、円滑なコミュニケーションを取るためです。

良く出る薬や処方解析のすり合わせを行った後は、薬剤師の専門的な情報をいつでも答えられる様にしておいて下さい。

例えば、妊婦の方に対して安全に使える薬や、他のクリニックから持って来た薬に対しての代替薬、ジェネリックの特性を直ぐに答えられる様にしておく必要があります。

聞かれて、直ぐに答えられる薬剤師は強く、信頼も得られて今後の独立開業がやりやすくなります。

他にも、総合病院前で様々な診療科の処方に触れておく必要があり、処方される薬の禁忌情報や併用もチェックしておく必要があります。

専門医は、自分の診療科に対する知識には強いですが、他科に対する薬の知識は弱い医師もたくさんいます。そのため、医師が患者さんから他科の薬や、疾患に対して聞かれた場合、薬剤師に情報を求めてくる事がありますで、独立する薬剤師は、全ての診療科の薬の知識や、アウトラインを把握する必要があります。

また医療の変革や地元のニュースを知る事で、自分の薬局を取り巻く環境や未来を見据えて対応する事が可能です。

大手ドラッグストアが地元に進出するニュースや、高齢者の新施設が完成したり、イベントを催しているなど、経営に関わる情報を事前にキャッチするため、情報への感度を常に高く保ちましょう。

臨床知識はもちろんの事、医療や薬局に関わる全てのトレンドを広く吸収しておく必要があります!

2.診療報酬をマスターする 

薬局の利益となる仕組みを知るため、診療報酬や調剤報酬を理解することは非常に重要です。

病院で働く若手の薬剤師は、そこまで調剤報酬を重要視しないで仕事を行いますが、大手の調剤薬局薬剤師や、ドラッグストアの薬剤師は、2年ごとに変わる調剤報酬をシビアに受け止めています。

薬局経営をすると、報酬改定は目標達成の1つの目安になり、達成出来ない場合、収益が下がってしまう可能性が高くなります。

つまり、診療報酬、調剤報酬を理解していなければ、経営が苦しくなり従業員に対して年収を下げざるを得ない状況になってしまったり、自分自身の手取りも少なくなってしまう恐れがあります。

厚生労働省が記載する文章は、非常に分かりにくいですが、ネットでは簡潔にまとめたサイトがあったり、医薬品メーカーや医薬品卸も協力して資料の提供や、動向を教えてくれるので、日頃から、全ての診療報酬を勉強して、開業に望むべきだと言えます。

また、高齢化社会の日本で、今後薬局をやっていくのであれば、3年ごとに変わる介護保険制度にも注目して勉強をした方が良いでしょう。

大手調剤薬局であれば、診療報酬に関しての研修や、知識を得る事が出来るのでおすすめになります。  

3.一緒に働く従業員の目星を付ける 

中古の薬局の買取りでも、新規立ち上げの薬局でも、考えておきたいマネジメント業務になります。

病院薬剤師の中には、病院の医師からクリニックを開業するから、一緒に独立して、薬局を展開して欲しいと言われる場合があります。その時、薬剤師が準備をしていないと困るのが、一緒に働くスタッフになります。

場所によって、医療事務は集まるかもしれませんが、薬剤師を雇うとなると下手をしたら数ヶ月前に募集をしても、全く集まらない場合があります。

既に働いている薬剤師に声をかけても、今の職場に満足をしているのであれば、条件を少し良くしても、断られる可能性が高いです。

そのため、元職場の後輩薬剤師をスカウトしたり、パートでもいいので、知人に紹介してもらうなど、事前に根回しをしておく必要があります。

転職エージェントからの紹介や派遣薬剤師の紹介という手もありますが、特に派遣薬剤師のコストパフォーマンスは、経営的にもよろしくないので、最終手段として検討するべきだと言えます。

元職場と関係性を保ちつつ、外の勉強会や学会などで知り合いを作っておき、親交を深めておくと良いでしょう。 

4.長く薬局を経営出来る立地か調べる 

薬局の利益は、基本的に処方箋枚数によるので、いかに処方箋を集められるかが、鍵になります。そのため、近隣にどのような医療機関があるのかについて注視する必要があります。

例えば、処方箋元の医療機関の院長が、70歳で高齢である場合に、後継ぎがいるかどうかで、大きく薬局の経営が異なってきます。実際に薬局を開業した数年後に、門前の医師が倒れてしまい、大きく売上が減ってしまった薬局もあります。

リスクを分散させるためにも、門前クリニックだけでなく、施設の処方箋も扱える場所か、立地に高齢者が特に多いか、近くに同じ様な薬局やクリニックがあるのかなどを考えておく必要があります。

私も開業に関わる案件をいくつか頂く事がありますが、医師の年齢や人柄、立地は必ずおさえて、特に医療機関が跡継ぎを考えているのかどうかは、気にしてます。

開業する医師は、若くて40代が多いと思いますが、薬剤師は行動力があれば、30代でも十分に開業が出来る職業であり、年齢制限もありません。

若くして開業を考えている薬剤師は、より長く経営出来る様に、息の長い立地かどうか入念に下調べをしてみましょう!  

5.交渉する能力を上げておく

独立した薬剤師が交渉する場面は多くありますが、中でも医薬品卸との価格調整が最も重要になります。

差益を出す為には、複数の医薬品卸と関係を築いて、最終的な交渉に入ります。中古の薬局を購入して独立すると、すでに提携している医薬品卸がいるので、次回の契約期間まで、大きな交渉を行う事はありませんが、新規で薬局を立ち上げる場合には、医薬品卸から積極的な営業を持ちかけられます。

多くの薬剤師は、急配や価格競争のために、複数の卸に競わせる様な契約を結んでいる事が多いです。これは正解とも言えますが、まずは、お互いがウィンウィンになる様に話を進める必要があるでしょう。

価格交渉に関しては、大手調剤薬局やドラッグストアでも上層部が行っている仕事になるので、現場で働く薬剤師には、あまり馴染みのない事かもしれません。

しかし、独立、開業を考えている薬剤師にとっては、大きな仕事になり、口が上手いという事ではなくて、誠実な対応を取れるかどうか、対企業としてお互いに関係性を築いて、上手く立ち回ることが出来るかどうかが重要になります。

薬剤師はこの営業能力や交渉スキルが絶対的に足りていないと思いますので、気付いた時から、吸収しておくべき内容になります。 

6.シミュレーションをしっかりと行う

薬局の事業を開始するに当たって、目安として月の純利益がどの程度出るのかを把握しておきましょう。また、借金をして薬局を買い取る場合は、何年かけて返済出来るかをシミュレーションしておきましょう。

中古薬局の買い取りでは、分包機やレセコンが付いている価格で1000万円から開業出来る物件もありますが、5000万円以上と高額な予算を必要とする薬局もあります。

そのため、事前準備として、実際に自分の足を使って薬局を見たり、薬局開業のM&A専門のコンサルタント会社を利用してみて、コンサルタントが提案する案件を比較することをおすすめします。

また、中古買取の場合は、オーナーと一緒に話を進めることが、1番のメリットになるでしょう。必ず1件目で決めないで、出来れば同じ診療科の門前の薬局で、複数案件を比較してみて下さい!

土地代や光熱費がいくらかかるのかは、もちろん調べておくべき内容です。 

7.出店する地区の薬剤師会を調べる

新規で立ち上げる場合に、個人の薬局では、薬剤師会の存在を気にする必要があります。地区ごとに薬剤師会のトップがいるので、挨拶や、しきたりなどを下調べしておく方が良いでしょう。

薬剤師会に入るための入会費や年間費も地区によって異なりますので、意外とコストがかかってしまい、経営が苦しくなる場合もあります。

薬剤師会に入らないのであれば、それに伴うメリット、デメリットを言えるくらいに知っておく必要があると思います。

全国で薬剤師会の情勢や組織が異なります。全国展開をしている大手調剤薬局の友人らに聞いて、情報を収集してもいいかも知れません。  

薬剤師が独立・開業をするメリットは?

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薬剤師が開業するにあたり、得られるメリットは様々あります。本項ではその中でも、特筆すべきメリットについて、詳細に説明していきます!

1.年収が上がる

薬剤師で独立が成功すると、飛躍的に年収が上がります。

夫婦で薬剤師の場合には、2人で経営を行っている薬局も少なくありません。処方箋枚数や1枚当りの利益率によって年収は異なりますが、1日40枚程度で手取り50万円は到達出来ます。

私が働いている薬局では、月の利益としておおよそ、150万円程度であり、月にこの金額がオーナーへ入る計算になっています。

仮に、私がその薬局を継承して開業すると、更に私の月給分を追加した金額になり、余裕で年収1000万以上になります。

実際に雇われの薬剤師であると、年収1000万円である方は、本当に一握りの世界であり、長い年数がかかります。

独立、開業するメリットは、年収アップが大きいと思いますし、薬剤師なら誰にでもチャレンジ出来る、夢のある働き方だと言えます。 

2.思い描いた薬局を作る事が出来る 

地域に根ざした自分だけの薬局を作ったり、内装や外装も他の薬局と差別化をして、オリジナルな薬局を作る事が出来る点は、開業ならではのメリットであり、考えただけでもワクワクする内容になります。

薬剤師なら1度は、カフェ風でオシャレな薬局を憧れにしている方もいるのではないでしょうか。面白い薬局として、鍼灸師や整体師の資格を持った薬剤師が、マッサージなども受けられる多動的な薬局を開設している例もあります。

また、シックで本当に薬局なのかと思ってしまうセンスの良い薬局もありますので、患者さんのニーズに合った薬局作りが出来る点は、非常に魅力的な内容と言えるでしょう! 

細かな基準を厚生局に従い、無理のない立ち上げにする事も重要です。

3.自分次第で休みを調節出来る

個人薬局であれば、1人薬剤師として働き、丸っと利益を手に入れることが可能になります。借金も返済して軌道に乗れば、プライベートを充実させたい方も出てくると思います。

そのためには、信頼出来る薬剤師や医療事務の存在が必要になり、私が働いている薬局で、例を挙げると、薬剤師を1人配属させて、お互いに休みを週2.5日取得する権利を自らで決める事が出来ます。

仮に休みがなくてもいいので、年収を上げて欲しいという要望があった場合には、オーナーとしてマネジメントを行い、現場を任せる事も出来ます。

そうなれば、基本的には時間通りの出勤はありませんし、自分次第で、薬局以外の事業も行う事が可能です。

忙しい薬剤師から見れば、こちらも本当に夢のあるメリットだと言えます。 

薬剤師が独立・開業をするデメリットは?

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薬剤師が独立や開業をするにあたり、上述した様に様々なメリットがありますが、反面デメリットもあります。

以下には、開業を考えている薬剤師に向けて、是非注意して頂きたいデメリットを記載していきます!

1.大きな金額を失うリスクがある

薬局の新規開業でも、中古買取でも、1000万単位の大きなコストがかかり、銀行からローンを組んで、事業を展開する必要があります。

基本的に借金をしてからスタートする場合がほとんどで、例えば完済をする前に薬局をたたむ事になると、大きな金額だけが肩にのしかかってしまいます。

特に入念な下調べを行わないで行う、新規開業の場合では、稼ぎの源である処方箋が、開業してから直ぐには増えません。

1日中処方箋が来ない日があったり、1日10枚前後の日が、数ヶ月間続いたりする日もあるでしょう。借金を返すための、計画年数が崩れて精神的にもしんどい思いをするかもしれません。

他には医療事務や、他に薬剤師を雇っている場合に、固定的に支払う金額も考えて置かなければいけません。

上手く軌道に乗らずに、いつか成功すると根拠のないまま時間が過ぎると、取り返しが付かない状態に陥る可能性もあります。

夫婦で経営していた薬局も、門前の医師との関係が悪化したことが原因で、潰れる薬局も決して珍しくありません。

特に、家庭がある薬剤師は注意が必要です。  

2.全ての責任を負わなければいけない

薬局で取り巻く責任を、全て負う覚悟が必要です。

薬局で考えるべき内容は、医療事故絡みの訴訟がメインになります。

払い出す薬を誤り、結果的に患者さんを入院させてしまったり、障害が残った場合の対応を常にシミュレーションする必要があります。

弁護士など法律に強い方と手続きを行い、再発防止に努めます。他にもクレーム対応も行わなければいけませんし、民事裁判の対応も考慮して行動しなければいけません。

これは、会社勤めの社員にはない、デメリットになります。より一層働く事に対して、責任感が増す働き方になるでしょう。

誰からも守られないという認識を強く持つ必要があり、むしろ社員を守る側にならなければいけません。  

3.忙しい場合がある

薬剤師が独立した場合、付き合いは必然的に増える傾向にあります。そのため、業務外でも働く意識が無いとストレスに感じてしまうかもしれません。

経営者兼、薬剤師として現場に立つと、通常業務の他に、厚生局への提出物や、給料の支払い、銀行への対応など、行う仕事や手続きが増えてきます。

私の知り合いの独立した薬剤師は、業務後に経理を行うので20時に薬局を締めても、23時頃まで仕事をしている方もいます。

仕事を取ってくるのも自分自身ですし、取ってきた分だけプライベートが無くなる可能性もある点は、大きなデメリットと言えるでしょう。 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

独立、開業をした事がある薬剤師は、大きな経験を積むことが出来ますし、両親が薬局を経営していて、将来的には独立を考えている方には避けては通れない道だと思います。

記事を書いてみて、個人的にも早く独立してみたいと思いましたし、まだまだ具体的に調べる必要があると感じました。

薬剤師は、事業に失敗をしても、再就職する事が可能であり、夢を追いかける事が出来る浪漫溢れる職業です。

少しでも本記事が、独立、開業に興味がある方の目に止まって頂ければ幸いです。

それでは、また!

 

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