今回の記事では、ママ薬剤師に向けて、復職の際の注意点や、ブランク明けで気を付けることを、まとめて紹介していきます。
また、合わせてママ薬剤師向けの在宅ワークも記載するため、ぜひ参考にしてみて下さい!
以下、目次となります。
ママ薬剤師の働き方について!どのような方法があるか解説!
ママ薬剤師の雇用形態は正社員、パート、派遣が主になります。
その中でも、正社員とパートの薬剤師の割合が多く、時短勤務で働く事が出来る点が特徴です。
子どもが小学生未満の場合は、特にパートとして働く方、子供が大きくなると正社員へと雇用形態を変更するママ薬剤師の方もいます。
以下で、ママ薬剤師の働き方について職場別に見ていきましょう!
①:調剤薬局で働く場合
調剤薬局は正社員、パート、派遣と全ての雇用形態で需要がある職場になります。
福利厚生が手厚い大手調剤薬局では、小学生低学年まで時短勤務として16時頃に帰宅出来る制度や、薬局の閉店時間が19時であっても、必要に応じて17時頃にスムーズに帰宅出来る環境が整っています。
ママになる前は正社員勤務で、子供が大きくなるまではパートとして同じ職場で働く薬剤師もいるので、雇用形態を変更しやすい点が特徴になります。
調剤薬局から別企業の調剤薬局へと、自宅から近い職場へと転職を決意するママ薬剤師もいますが、店舗を多く保有している大企業に、事前に相談をすると、自宅から近い店舗に異動する事も可能です。
派遣薬剤師に関しては、1日から勤務出来る「スポット勤務」で働くママ薬剤師や、職場復帰の研修がある紹介会社を利用して、短期間だけ働く方も一定数存在しています。
パートの時給はエリアによって幅があり、2000円~3000円オーバーの金額の求人もあります。
調剤薬局薬剤師の仕事内容自体は、以下の個別記事にまとめているため、そちらも合わせて参考にして下さい。
ママ薬剤師が働く職場の中でも融通が利きやすいメリットがあり、一般的な働き方と言えます。
②:ドラッグストアで働く場合
正社員、パートとして働く事は可能ですが、ドラッグストアの場合は派遣薬剤師の求人数は少なく、1日からのスポット勤務を行う事が出来ません。
まず、正社員としてドラッグストアで働くママ薬剤師はいますが、店舗が24時間営業の店舗であったり、深夜までオープンしている場合、ずっと張り付きで働く事はほとんどありません。
比較的に処方箋応需が多い店舗で、日中に薬剤師業務を行う事が大半です。
また、パートで働くママ薬剤師もいますが、子供が生まれたのをキッカケに、バランスの取りやすい調剤薬局へ転職する方がほとんどです。
パートの時給はエリアによりますが、深夜帯でなければ時給2000円~2500円が相場になります。
ドラッグストアの経験者で、週4、5回、3ヵ月から働く事が出来るママ薬剤師でも、勤務地はやや制限される可能性があると考えて下さい。
ドラッグストアの薬剤師の仕事内容については、以下のエントリーも合わせて参考にして下さい!
家から近い店舗があれば良いのですが、複数店舗を行き来することもあり、ママ薬剤師には辛い職場だと言えます。
③:病院で働く場合
病院薬剤師として、正社員とパートで働く事が可能です。私が以前働いていた病院では、ママ薬剤師の方が多く活躍していました。
しかし、その殆どがパートの時短勤務で、労働時間を短くして働いている方でした。
おおよそ9時スタートの15時までの勤務で、時給2,500円前後の働き方になります。
病院は、看護師も働く職場になります。女性が多い職場故に、病院に託児所が隣接しているところも多いです。私が勤めていた病院も、ママ薬剤師が病院の託児所に子供を預けて、そのまま出勤をしていました。
このように、自宅から職場までにかかる距離が他の職種よりも近くなる利点があるため、病院薬剤師の正社員から退職しないで、パートとして働くママは一定数います。
また、病院に対する派遣薬剤師に関しては、そもそも需要が少なく、求人もあまりないため、基本的に働く事が出来ないと考えた方が無難です。
病院薬剤師の仕事内容については、以下の個別記事も合わせて目を通してみて下さい!
マンパワー不足の病院では、子供の熱発など急に休みが欲しい時に休む事が出来ないことがあるため、注意が必要です。
④:製薬企業で働く場合
正社員、パート、派遣としても活躍出来る職種になります。
製薬企業のMR、研究職では女性でも管理職になっている方がいます。
子どもが世話のかかる乳幼児の時期でも、勤務地の希望や1日6時間勤務の時短で働く事が出来る企業もあります。
また、他の職種と比べて「在宅勤務」も積極的に行っている企業が多い点も特徴です。
例えばMSD株式会社では、女性労働者だけでなく、全社員を対象とした在宅勤務制度を採用しています。在宅でテレワークを行う事が出来、子供を保育園に預けてから自宅で働く事が可能です。
ちなみにMSDではテレワークの先進的企業として総務省「テレワーク先駆者百選」に選定される程に、働き方に関して理解がある会社になっています。
その他の製薬企業もMR職は自身のスケジューリングの自由度が高い働き方になるので、仕事と育児のバランスが取れた働き方が出来るメリットもあります。
製薬企業に勤める、MRの詳細な仕事内容については、合わせて以下も参考にして下さい。
⑤:派遣薬剤師として働く場合
ママ薬剤師の派遣先は調剤薬局がメインになります。
雇用条件は1日だけであったり週3、4日や週5勤務まで幅広い条件で働ける点が特徴です。
時間数も午前中だけの求人もあるので、育児を優先させながら働く事が可能です。薬剤師の派遣会社に従事する形になりますが、派遣元はママ薬剤師の大変さを理解しているので、強制的な求人紹介を行う事はありません。
コンサルタントがヒアリングをしっかりと行い、個々に合わせて働きやすい求人を探してくれます。
残業も原則なく、事前に希望を出す事によって、自身に合わせた働き方が見つかります。
特に、復帰する前に薬剤師業務の研修を行ってくれる紹介会社もあるので、仕事に対する不安を軽減して業務を開始する事が可能です。
勤務時間数によりますが社会保険や雇用保険、有給休暇も取りやすい環境になります。
派遣先で一定期間働いて、その職場のパートへと変更する事も出来ますので、職場選びに失敗したくないママ薬剤師や、ブランクがある方にとってはおすすめ出来る働き方になります。
派遣薬剤師の詳細については、以下の記事にもまとめているため、ぜひ参考にして下さい!
⑥:正社員として働く場合
復帰後直ぐに、フルタイムの正社員で働くママ薬剤師は多くありません。
調剤薬局やドラッグストアでは、1日6時間程度、週5日働く「時短による正社員」の割合が多いです。
また、薬剤師の応援体制が整っている大手企業ほど、ママ薬剤師に対してフォローが手厚くなります。
例えば、マンパワーが不足している小規模薬局と比較をすると、大手企業では、子どもの予防接種や定期検診などで、指定する日付に休みを取りやすいです。
他の違いを見てみると、大手企業は採用担当やDI業務の仕事として薬剤師業務以外の仕事も行える点が特徴です。
そのため、薬剤師のやりがいと、育児を両立してスキルアップをしたいママ薬剤師にとって、大手企業の正社員で働く事は向いていると言えるでしょう。
薬剤師の正社員については、以下の記事にもまとめているため、そちらも合わせて参考にして下さい。
ママ薬剤師がブランク明けで復職する際の注意点!
育児が少しひと段落付き、復帰を考えているママ薬剤師に向けて、注意してもらいたいことが、いくつかあります。
ぜひブランク明けの方は、一読してみて下さい。
①:扶養内で働くかどうか
ガッツリ稼いで扶養外で働くのか、所得を減らして税金と社会保障を免除する扶養内の働き方を選択するのかを、復職する際に決めておきましょう。
以下、年収を軸に扶養内の早見表を作成しました、参考にして頂ければ幸いです。
ママ薬剤師の年収 | 住民税 | 所得税 | 社会保険 |
---|---|---|---|
100万未満 | 支払わない | 支払わない | 支払わない |
100万~103万円未満 | 支払う | 支払わない | 支払わない |
103万~130万円未満 | 支払う | 支払う | 支払わない |
130万円以上 | 支払う | 支払う | 支払う |
ママ薬剤師は、時給2000円以上の働き口が多くあります。
仮に1日6時間勤務、週4日働いたとすると、年収が約230万円になります。上記の早見表に当てはめると、年収130万円以上に該当して、住民税と所得税、社会保障の支払いが発生する事が分かります。
ママ薬剤師の場合、「103万円の壁」と言われる境界線を比較的容易に超えてしまう職業です。
扶養内で収まりたいと考えているママ薬剤師の方は、実際に事前にどれだけの時間数で働くと、年間でどの程度収入が発生するのかを確認した方が良いでしょう。
中途半端に130万円~150万円の年収の場合は、手取りが少なくなり、損をしてしまうも可能性も出てきます。
薬剤師であれば130万円以上の年収を目指して働いても、ライフワークバランスを保つ事が出来るでしょう。
②:急な休みを受け入れてくれる職場かどうか
あなたが急にいなくなった場合に、その職場がまわるのかどうかイメージをして下さい。
特に、復帰後直ぐは、子供が熱発を経験してしまい、急なお休みを頂くケースが発生します。
例えば、1人薬剤師の店舗で自分以外の薬剤師が在籍していない際は、注意が必要です。急な休みを取る事が出来ずに、両親の助けが必要になったりと自身の範囲外で気にする問題が出てきます。
復職する会社で、周りのスタッフは協力的な人が多いのか、フォロー体制が整っている環境であるのかは、常に意識すると良いでしょう。
私の場合は、子供を保育園に預けた状態で、夫婦がお互いに正社員として働いています。父親ではありますが、急な休みが発生しても他店舗から応援が駆けつけてくれる職場に勤めていますし、周りにも事前に伝えています。
一緒に働く同僚もお互い様なところもありますが、それでも急な欠勤を快く受け入れてくれる職場かどうかを1つのチェックポイントにしています。
正社員の薬剤師が多く勤務している職場で、離職率が低い会社というのも一つの指標になります!
③:キャリアが積める環境かどうか
バリバリと働いて、今後もフル勤務で働きたいママ薬剤師向けになります。
復帰後は職場の居場所はあるのか、復帰しても男性薬剤師と同様にキャリアを積む事が出来るのか、客観的に考えてみましょう。
そこまで働きたくないと考えているママ薬剤師であれば問題ありませんが、働く事が好きで管理職まで登り詰めたい、将来自分の薬局を開局したいと考える方にとっては、子育てとの両立出来る職場選びをする必要があります。
職場の上司が、本人の意向を考慮してくれて、子育てを終えた薬剤師でもキャリアプランを描いてくれる会社なのかを意識してみて下さい。
実際にママ薬剤師でも企業を代表する顔になる方もいますし、新規立ち上げの部署への配属や、教育関連の部署を任されている方もいます。
ママ薬剤師になった後、どんなポジションで会社に携わりたいのかを考えておくと良いでしょう。
④:時短勤務が可能な職場かどうか
事前に「時短勤務」の実績があるかどうかを、確認してみましょう。
東証一部企業であれば女性薬剤師も多く採用していますし、過去に時短勤務の実績や経験者が現場にいるので安心です。
しかし、規模が小さい会社や、設立して間もない企業では、時短勤務で働くことを推奨していない場合がよくあります。
初めての子育てで、育児にも力を入れたいママ薬剤師にとって、時短勤務が可能な職場かどうかは、働きやすさの指標の1つになります。
また、「復職の先駆者がいるかどうか」、「体制が整っているか」、「子どもを保育園に預け始める時期は残業がないか」なども、合わせて入念に確認してみて下さい。
ママ薬剤師におすすめの在宅ワーク!
仕事に復帰するのではなく、育児の合間に仕事をして、お金を稼ぎたいと考えているママ薬剤師に向けて、以下おすすめの在宅ワークを紹介していきます!
①:メディカルライター
在宅ワークの中でも案件が多く、比較的ハードルが低い点が特徴になります。
薬の解説記事など専門性を発揮すれば、一般のライティング案件よりも高単価で仕事を受ける事が可能です。
一般的に1文字0.5円からスタートになりますが、薬剤師の転職体験記事は1文字2円以上提示するクライアントも存在します。
他にもママ薬剤師であれば薬局について、育休と産休を取得する際のリアルな経験を文字にする事が出来ますし、女性の悩み記事に関してライターを募集している企業は多いです。
薬剤師に関する記事だけでなく、美容関連の記事はお店の体験をしてから記事を作成する事も可能です。
女性目線の記事には男性薬剤師には書く事が出来ない価値がありますし、専門的な薬剤師の知識も発揮出来るおすすめの在宅ワークになります。
薬剤師によるメディカルライターの仕事の詳細は、以下の記事にもまとめているため、合わせて参考にして下さい!
②:ネット相談
ネット相談は、薬剤師による知識や経験を販売する仕事内容です。
媒体は電話やチャット、Skypeと種類も好みに合わせて指定する事が出来、相談時間や1回当りの回数に応じて報酬が発生する仕組みになっています。
薬の知識を教えるのはハードルが高いと思うママ薬剤師は、薬剤師国家試験の対策方法や勉強方法など自分が乗り越えてきた経験を販売しても良いでしょう。
相手が希望している相談に対して選択する事も可能です。逆に「ママ薬剤師が利用して良かった転職エージェントを教えます」や「漢方の飲み方のコツを教えます」など自分の得意とする内容を提示しても問題ありません。
顔が見えない利点を利用してママ薬剤師による恋愛相談もおすすめと言えるでしょう!
③:データ入力
商品データの入力や数値を確認しながら入力する作業で、初心者にも取り掛かりやすい在宅ワークになります。
アイデアを考えたり、難しい事を考えずに単純作業で報酬を得られる点が特徴です。
薬剤師はカルテ記載や薬歴記入でパソコン操作とタイピングに慣れている方が多いので、データ入力はストレスなく進める事が出来るでしょう。
報酬単価は低いのですが、作業を途中にして洗濯物を干したり、家事を済ませたりと、隙間時間に行いやすい点が、ママ薬剤師から支持を得ています。
データ入力は在宅ワークとして始めやすいジャンルになりますね!
④:ハンドメイド販売
アクセサリーなどのハンドメイド作品を販売する在宅ワークになります。
私の嫁さんもネックレスやキーホルダーなどを作成して、お小遣いを稼ぐ事が出来ています。
現在では参入者が多く、人気クリエイターになるまでに時間と根気が必要です。
注意点としてハンドメイドの材料を購入するので、在庫を抱えてしまうリスクも考える必要があります。
細かな作業と物作りが好きなママ薬剤師に、おすすめな在宅ワークになります。
復職を考えるママ薬剤師が利用するべき転職サイト!
復職を真剣に考えているママ薬剤師に向けて、おすすめの転職サイトを以下で紹介していきます!
どれも私が利用したことがある転職サイトなので、ぜひ参考にしてみて下さい!
①:薬キャリ
正社員、パート、派遣の全ての雇用形態と全国各地から求人を見つけられる転職エージェントになります。
薬キャリのおすすめしたいポイントは、コンサルタントが雇用形態ごと配置されている点になります。
ママ薬剤師がパートで時間や曜日指定の希望を出したとしても、パート専属のコンサルタントが在籍しているので、スムーズな対応で、条件にマッチした求人の提案をしてくれます。
その他にも薬キャリでは、派遣薬剤師の選択肢がある事や、福利厚生がNo.1のところも魅力です。
薬キャリの評判を知りたい方は、以下の個別記事も合わせて一読下さい!
ママ薬剤師にとって希望が通りやすいエージェントになります!
②:ファルマスタッフ
週3日休みの正社員や高時給のパート薬剤師、派遣薬剤師の求人も扱っている、転職エージェントです。
派遣薬剤師を行う際に、事前に薬剤師業務の研修があるので、現場復帰を考えているママ薬剤師に助かるサービスが特徴と言えます。
調剤薬局のパート求人数が多いですし、コンサルタントがいくつかの候補を提案してくれた点が良かったポイントです。
ヒアリングに定評のあるコンサルタントもファルマスタッフの強みで、病院薬剤師の働き方に対しても理解があります。
紹介先の職場をコンサルタントと一緒に見学出来るので、じっくりと職場選びをしたいママ薬剤師におすすめなエージェントになります!
ファルマスタッフの評判については、以下の記事も合わせて参考にして下さい!
③:ファルメイト
ファルメイトは単発派遣の求人に強いエージェントで、週1日だけ、週2日だけと月毎に細かくシフトを組んで働く事が可能です。
派遣薬剤師だけでなく、パートや正社員の求人も扱っていますし、高時給の派遣求人の扱いと都心による求人提案が強い点が特徴になります。
コンサルタントが気さくで距離が近い点も魅力がありました。
ママ薬剤師でプライベートをしっかりと取りたい方にマッチしているエージェントになります!
ファルメイトの評判については、以下の記事で詳しく語っています!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ママ薬剤師になると、「家庭と仕事のバランスはどのくらいが良いのか?」と、今一度考えるキッカケが生まれるはずです。
現在では時短勤務や、在宅ワークが認められている企業も増えています。女性が多い業界にとって、ママ薬剤師の活躍は今後も可能性が広がる事でしょう。
本記事が、少しでも現役のママ薬剤師の参考になれたら幸いです。
それでは、また!
他、薬剤師の仕事関連のエントリーはこちら!
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薬剤師がダブルワークをする際の4個の注意点!おすすめのWワークも合わせて解説!
参考サイト
本記事を記載するにあたり、以下のサイトを参考にさせて頂きました。
扶養内とは?ホントにお得なの?|ママ薬剤師のための【薬キャリmama】