今回は、薬学部の方に勉強を兼ねて是非読んでもらいたい本を紹介します!
実際に現役薬剤師である私が、学生の頃読んでためになった本や、今思い返して、薬学部時代に読んでおきたかった本などをピックアップしてみました!
薬学部に通う方で、何かおすすめな本を探している方は是非参考にしてみて下さい!
以下、目次となります。
薬学部なら絶対に読んで欲しいおすすめの薬学本6選
クリニカルクエスト
プライマリケアを勉強するに当たって、薬学部の学生や医療の知識を付けたい方におすすめの、問題ゲーム形式の勉強本になります。
対象者は研修医か医学部の学生になる内容になっていますが、薬学部の方なら食らいつける点と、楽しみながら学べる点を評価しました。薬学生には少し難しい内容になりますが、実臨床向けであり、RPG好きで経験値を上げるのが好きな方には向いている本です!
初級、中級、上級とステージ分けされていて、薬学以外の知識も増えていくので、早い段階から触れる事が大切だと思います。
初めは、患者背景などの描写は慣れないかもしれませんが、病院薬剤師になり、勉強会があると、患者背景から処方意図、検査値の確認を行う事が自然になります。
早い段階から患者背景に慣れておいて、知らない用語を調べたり、覚えていく事は非常に価値がある行動です。
タイトルと表紙もドラクエ好きにはたまらない仕掛けになっていて、クエストやぼうけんのしょと言った描き方が、自然と気持ちをワクワクさせてくれます!
医学部を目指していた薬学生ならより一層楽しめると思いますし、読んで欲しい問題集寄りの勉強本になります。
患者指導のための剤形別外用薬Q&A
いつも学ばせてもらっている大谷道輝先生が編集した、医薬品の剤形外用薬に焦点を当てている現場寄りの実践本になります。
日常の薬剤師が疑問に思っている事を解決していくQ&A方式が特徴の勉強本になり、坐薬、点眼などの剤形の本質を少しづつ理解出来て、読んでいて面白く感じる事でしょう。
外用剤が多く出る薬局でお世話になっている方は、内容がリンクしやすくなっていますので、理解度もより深まると思います。
薬学部にいる方なら、薬剤学の講義や製剤学の講義で学ぶ機会があり、この内容は下級学年で学ぶのではなくて上級学年から学ぶ大学が多いので、先取りして1年生の内から剤形別に勉強しておく事は、かなり効果的です!
大学の座学の内容も網羅している点と、現場でどう対応するかも網羅している点も魅力的であり、この本の真骨頂になります。
剤形に関しての質問も現場にいると患者さんから受ける事がよくあります。なぜ2つの目薬は5分間間隔を空けなければいけないのか?など現場で役立つ情報が多いのも特徴です。
余談ではありますが、大谷先生の「スキルアップのための皮膚外用剤Q&A」も超おすすめなので、是非参考にして下さい。
3秒で心電図を読む本
現在薬学生や薬学部を目指している方には是非おすすめしたい、心電図を段階的に学び、読み解くための勉強本になります。
内容は医学部寄りになりますが、親切丁寧に心電図の考え方を学べる点が特徴です。正直に言うと社会に出た薬剤師のほとんどは心電図を読む事が出来ませんし、薬学部でも詳しく学ぶ事はありません。
しかし、実際に心電図が読む事の出来る薬剤師がいるのを知っていますし、今後は正しく薬剤業務のみを行うだけでは、薬剤師としての差別化は図れないと思います。
こちらの本は主に、現場の研修医が参考にする場合が多く、少しずつレベルが上がるように工夫されています。
処方箋を見た時に、どこかいつもと違うという感覚は薬剤師では非常に大切ですが、この本を読み終わった後には心電図の異常がどこなのか、また、なぜ異常と判断したのかが分かります。
その他にも効率的に心電図を把握するポイントを順序立てて学ぶ事が出来、読んでいて心電図の面白さが徐々に分かってくるはずです。
要所をおさえた参考書と言うよりは、考え方や、どうやって心電図を読み取っているのかがわかるので、現場で働く医師の考え方も少し理解が出来ると思います。
実際に病院薬剤師で心電図を理解している薬剤師は少数ですが、学生の内から学んで理解しておくと視野が広がりますので、読んで損はない良本です!
個人的に心電図を理解できるとカッコいいと思って、購入しました。薬学の知識を増やす目的ではない本ですが、読んで欲しい本です!
輸液を学ぶ人のために
輸液を勉強する人に1番最初に読んで欲しい、輸液の基礎入門本です。
社会人デビューしていて、ドラッグストアや調剤薬局の薬剤師には、少し合わない本になるかもしれませんが、今後薬剤師は、在宅医療を更に広く手掛けていく事になり、中心静脈栄養や、注射に関しての知識は持っておいた方が絶対に良いと思います。
現時点で薬学生の方や、薬学部を目指している方にとって、分かりやすい内容が選考の決め手となりました。
特徴として、対話形式で輸液の本質に迫る進め方になっているので、文章を読むのが苦手な方にもストレスなく読み終える事が出来ると思います。
総ページが200を超えますが、内容が易しめなのでサクサクと進める事が出来て、隙間時間にも読める事でしょう。
薬学部では輸液を実際に用いて学ぶ機会は少ないので、病院薬剤師になった時に輸液をもっと勉強しておくべきだったと強く思いました。そのため、病院薬剤師を目指している方にもおすすめです!
発行年数はかなり古くて最新の情報ではないのか?と思ってしまうかもしれませんが、輸液に関しての根本となる基礎、管理、考え方、危険察知能力を学ぶための勉強本になるので、この本を読み終えた後に薬に焦点を当てて、学んでいく方がいいでしょう。
今でも売れ続けている理由が納得出来る、おすすめロングセラーの勉強本になります。
改訂第3版ステロイドの選び方・使い方ハンドブック
ステロイドに関してのパーフェクトブックであり、第1部ではステロイドによる等価換算から主な副作用、妊婦や授乳婦への投与など具体的な解説を行っています。
特にステロイドにおける副作用に関しては医療従事者になる者としては必ず注意しておきたい内容になるので、薬学部を目指す学生や医療に今後携わるべき人には必読だと思います!
第2部には疾患別のステロイドの使い方、エビデンスを基に実臨床として使われている例や、薬剤師としては知りたいパルス療法の量などが詳細に記載されています。
薬剤師になってからは多くの場面でステロイドを学ぶ機会が増えていきます。そのため薬学部の内から、ある程度ステロイドに強くなっていれば、鬼に金棒状態であり、実臨床的にも知識が増えていくでしょう。
また、子供の時からステロイドの軟膏やクリームにお世話になっている方も多いと思いますし、意外と身近な存在のキーワードがステロイドになるので、初めて学ぶ内容としてもおすすめです!
フィジカルアセスメントがみえる
看護業界が主に手に取る参考書です。しかし、看護師だけでなくて医療系の方にも見て欲しい点、バイタルサインを可視化している点、未来の薬剤師像に向けて必要になっていくスキルが学べる点が選考した理由になります。
薬剤師の業務は臨床的な面もありますが、症状が見えない場面や、時間の制限、仕事の忙しさで、思う様に看護師より症状を把握する事が難しい場面が多いです。私は患者さんの声だけで、薬剤師が薬に繋げてしまう場面を何度も見てきました。
大学でもフィジカルアセスメントを力を入れたり、勉強会でバイタルサインの講習会も広がっているので、薬学知識だけでなく学べる本としておすすめです。
特徴となるのはイラストや図の多さと、スマホを使用すると呼吸音と心音を聴くことがが出来る点です。
身体の部位別では呼吸器、循環器がより実用的になるでしょう。
学生同士なら本書を例にフィジカルアセスメントをお互いに体験してみるのもいいかもしれません。内容のバイタルサインは今後薬剤師にも期待されている内容の1つです。
あくまでも薬剤師は薬の門番であるので、本来あるべき薬剤師の姿は忘れない様にプラスアルファの勉強本として参考にして下さい。
薬学の初学者でも読みやすいおすすめの薬学本3選
現場ですぐに役立つ!処方箋の読み方
薬剤師の仕事において、処方箋の見方、読み方、処方箋監査は避けては通れない行為になります。こちらの本では、処方箋の図を使用して、実際に起きた事がある調剤事故の事例を紹介し、危険察知能力を磨く事が出来ます。
臨床知識を増やす事だけが優秀な薬剤師ではありません。ミスが少ない薬剤師は社会人としても大変優秀だと思います。
この本は処方監査がイメージしやすい様に処方箋を解析して気を付けて欲しいポイントを解説しているので、現場の薬剤師の思考回路をより詳細に理解する事ができます。
社会人になってから読むのもいいかもしれませんが、薬学部の内から、リアルな事例を踏まえて学ぶことは非常に大切です。
また、薬学初学者なら読んで欲しい最大のポイントとして、注射薬、注射処方箋に対する見方が記載されている点になります。
多くの薬剤師は卒業後に注射処方箋を触らないまま仕事を行う事になります。しかし、今後は調剤薬局やドラッグストアでも、在宅医療として決まった注射箋を触る機会が増えますが、まだまだ病院薬剤師に比べると少ないです。
その不足分をフォローしてくれる内容であり、中身も配合変化だけではなくて、血管外漏出に対してや、投与速度に関してなど、普段見ない処方箋に対応している点が使い勝手が良いです!
絶対わかる抗菌薬はじめの一歩
薬学生だけでなく、研修医にも人気がある勉強本になります!
抗生物質に対するバイブル本であり、各抗菌薬の分類と特徴を合わせて説明しています。新人薬剤師の時点で、こちらの内容は全ておさえておきたいレベルであり、特に、実臨床での注意点が記載されており、その点もとても魅力的です。
薬学生の講義では抗生物質の作用機序を習いますが、1年次からは講義がありません。
早くからこの1冊に出会って作用機序を先取りし、抗菌薬に強くなると、講義でも年次が上がった時に他の学生と差がつきます。
読者を飽きさせない様に、臨床に沿った演習問題形式も用意されているので、自分の理解度確認にもなる勉強本です。
正直私は、大学で購入するテキストよりも数倍の価値があり、抗菌薬の第一歩として自信をもっておすすめしたい良作になります。問題形式だけではなく、症例を提示して丁寧に抗菌薬に対する考え方のコツを誘導してくれます。
発行してから時が経っていますが、今でも読まれている超絶分かりやすい抗菌薬の勉強本です。
読み終わった後は自分の中で抗菌薬がしっくりと感じる事、間違いありません!
王様のくすり図鑑
どんな薬学本よりも易しい、薬をキャラクターに変身させたイラストが多めの入門書になります!
文章に無駄がなく、小学生から中学生くらいの子供に向けて適している内容です。
一般名で薬の名前が書かれていますし、先発品の商品名でも書かれているので、初学者でもスッと頭に入ってくると思います。
現場で良く出る薬をチョイスしている点も良く、何より憎めない薬のキャラクター達がより一層いい味を出しています。
私は薬剤師になってから読破しましたが、内容が少し簡単過ぎたので、間違いなく薬の事について詳しく知らない人向けの勉強本になると思います。
子供に良く出る薬を集結させた「王子様のくすり図鑑」や漢方薬に特化した「皇帝の漢方薬図鑑」などシリーズ化されていて、発売当初は非常に人気がありました。
今回の紹介する勉強本の中で最も易しい内容になっていますので、薬学の導入本として、是非活用してみて下さい。
現役薬剤師が学生の時に読んでおきたかった本3選
薬剤師のための薬物療法に活かす検査値の読み方教えます!
検査値を基に、薬剤師が処方提案や現場の薬物療法を最大限に活かす事が出来る内容になっていて、私が学生時代に読んでおけば良かった勉強本の1つになります。
薬剤師の皆さんは、現場で検査値を上手く活かせていますか?
病院薬剤師であれば電子カルテから検査値を収集して考察、判断して薬物療法に活かすことが可能です。
昔は調剤薬局、ドラッグストアでは、直接患者さんに検査の値を確認するのが当たり前でした。しかし、最近では検査値付きの処方箋を院外処方として出している病院もあるので、調剤薬局やドラッグストアに勤める薬剤師でも少しずつ検査値を見る機会が増えてきています。
実習中にも感じましたが、検査値の異常を理解していないと、教科書やガイドライン通りに薬の効果が現れない可能性もありますし、薬による副作用も強く表れる事があります。
本書では、分かりやすい様に症例やケースに分けて検査値を軸に病態や処方を解析していきます。流れがスマートで、最終的にはどう落ち着かせるかの着地点も記載されているので、薬学生にも理解できる内容だと思います。
2、3年生の講義で、ある病態や疾患について学ぶタイミングで読めば、理解がより深まると思いますし、もっと臨床に興味が湧いてくるはずです。
検査値に強くなる薬剤師になるために、おさえておきたい勉強本になります。
しないことリスト
社会人になってから読んだ本の中で、もっと早くから読んでおけば良かったと思える、緩いけれど、生きる上での確信をついた本の1つです!
真面目な考え方の薬学生が多い中で、少し心にゆとりを与えてくれる考え方と、クスっとなってしまう言葉の言い回しも、独特の世界観を生み出して、シンプルに心に届きます。
薬学部では勉強に追われて心が病んでしまったり、大学を辞めてしまう方も見てきました。私自身も定期試験や国家試験のプレッシャーに負けそうになる時もありました。
本書は、究極の楽を目指した著者によるしないことリストです。
学生生活で少し元気が足りない時や、のんびり行きたい時に読んで欲しいと思いますが、ガッチリと構えた自己啓発本に頼るよりも、リラックスして、より自然体で読んでもらいたい本です!
簡単に人の意見を気にしてはいけない事、100%元気で居続ける事は難しい事を、妙に納得させられる文章が大好きです。コラム調で表現しているので、比較的親しみやすく本に接する事が出来るでしょう。
何故か心がしっくりこない時、ふとした時に落ち込んでしまう時に読むと少し前向きな気持ちになれます!
書込式 7週間セルフイメージ革命
自分らしく生きる事とは?海外のホスピスを学んだ看護師の著者が自身の体験や想いを情熱的、理論的に学ぶ事が出来て、自分に正直に生きていく大切さを教えてくれる啓発本になります。
現職の看護師にも見て欲しい内容になっていますが、他の医療従事者やもちろん薬学生、薬剤師でも共感出来る内容です!
特徴として、ワークブックスタイルでページを進めていくので、楽しみながら、時に考えながら7週間分のチャレンジを行える内容になっています。
大学では、机の上で勉強するだけが全てではありません。
この本を読み終わった後には、自分自身への大きな気付きがあると思いますし、きっと心がスッと軽くなっていると思います。
6年制薬学部の生活では、意外にも心がふわふわとしたり、自分自身の将来について深く考えてしまう時があります。そんな時こそ、是非読んで欲しい本になり、自分に少しだけ優しくなれる本だと思います。
書込式も、この本の良い点であり、インプットだけで終わらせない工夫が見事です。この本を通じて自分自身の宝探しを始めてみて下さい!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
記事を書いてみて、大学の教科書も重要で要点をおさえていたけれど、現場に沿った勉強本や教科書は少なかったと再確認出来ました。
医療に関する本はサクッと読める勉強本だと自分自身も助かりますし、コスパも良いと思いました!
今回の記事で少しでも自分に合った勉強本を見つけてくれれば幸いです。
それでは、また!
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