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薬ゼミとは?合格率や利用のメリットデメリットを解説!

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今回は、薬剤師国家試験対策予備校の大手である、薬学ゼミナール(薬ゼミ)について、その詳細や、実際の合格率、メリットデメリットについて、熱く語っていきます。

薬剤師を目指している方で、薬ゼミの利用を考えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい!

以下、目次となります。

目次

薬ゼミとは?現役薬剤師が解説!

薬剤師国家試験予備校の業界No.1企業になります。正式名称は「薬学ゼミナール」として知られ、薬剤師であれば知らない方はいない程、認知度がある学校法人です。

薬学生や薬剤師からは「薬ゼミ」と呼ばれる事が多く、質の高い講師陣を育成していたり、講師業だけでなく、薬局も展開している特徴がある企業になります。

薬ゼミの歴史として、1977年に創立後、2010年には薬剤師認定制度認証機構から生涯研修プロバイダーとして認められており、薬剤師になってからも勉強する環境を提供し続けている会社であると分かります。

予備校として古くから実績があるので、実力も薬科大学から認められている企業です。

2018年現在では、全国17ヶ所に教室を設置し、全国のエリアを拠点に薬学生の国家試験合格を後押ししています。教室で講義を受ける事はもちろん、オンラインで受講する事が出来るシステムも構築しています。

また、薬ゼミ最大の特徴は、国家試験対策の参考書、問題集である「青本」になり、薬ゼミが今まで培ってきた過去のデータを分析、凝縮した書籍は、多くの薬学生から支持を集めています。

薬ゼミは各薬科大学とも付き合いが長いので、私の大学でも、薬ゼミ講師が、国家試験対策講義を行っていました。

学内で薬ゼミの模擬テストを受けたりと、全国の現役薬剤師も思い出がある予備校と言えます!

薬ゼミの合格率について!

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第102回薬剤師国家試験の既卒者合格率が業界トップの実績になっています。この年の6年制既卒者全体の合格率は、約50%と2人に1人が落ちる結果となっています。

薬ゼミは6年制既卒者2295人の中、72%である1651名の合格者を輩出した実績を挙げています。こちらの内容は全日制のコースを受講した方の実績で、長期間厳しいスケジュールをやりこんだ予備校生が対象になっています。

以下は第102回薬剤師国家試験の合格率と薬ゼミの合格率の比較した表になります。

  合格率
6年制既卒(全体) 約50.8%
6年制既卒(薬ゼミ) 約72.0%

薬ゼミを利用するメリットは?

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さて、では実際に薬ゼミを利用する際に、どのようなメリットが得られるのでしょうか。本項では、それら特筆するべき利点について詳しく解説していきます。

①:国家試験対策のビッグデータが揃っている

他の予備校を凌駕する、圧倒的な国家試験のデータを保持している点が薬ゼミのメリットです。過去の国家試験問題を全て分析して、類似問題がいままでにどれだけ出題されたのかを徹底的に分析しています。

そこから毎年のヤマをかけて、国家試験問題の予想をしていたり、試験後も速報と評価のスピードが良質です。

試験日が近付くにつれて、講師陣もより一層熱が入っていきますし、国家試験後も常に過去のデータを収集し、蓄積しています。分析を担当するベテランスタッフも在籍していて、膨大なデータを管理している薬ゼミだから出来るメリットと言えます。

薬剤師国家試験のビッグデータを網羅して薬学生や予備校生に有益な情報を与えている点は大きな魅力です!

②:年3回の模擬試験 

9月、11月、1月と年3回行う模擬試験は、殆どの薬学生が受けるほど業界に浸透していて、薬ゼミの強みの1つになります。

試験終了後に個人ごとにカルテを用意してくれるので、自分自身の立ち位置や、全国順位、得意な科目、不得意な科目を客観的に把握する事が出来ます。

薬ゼミでは、模擬試験に対してのデータを詳細に分析するので、各設問が正答率の高い問題なのかどうかも分かります。

104回の国家試験からは「禁忌問題」を導入する事が決まっていますが、薬ゼミはどこよりも早く禁忌問題を作成して、模擬試験に反映しているので満足度も高いです。

また、薬ゼミの会場に赴いて模擬試験を受けるだけでなく、自宅に居ながら試験を受ける事も可能で、平日の模試に予定が合わない方にも工夫をしています。

私は学生時代に薬ゼミの模試を受けた事がありますが、問題用紙から本番同様で、学内の成績だけでなく、全国の薬学生と順位を比較出来たので、勉強に対してのモチベーションも上手く保てたと思える模試でした。

個人的に難易度は難しく、最後の模試まで合格点には届かないレベルで、もう少し頑張らないといけないと、やる気を上げる為にも効果的な模試でした。

質の高い模擬試験は、薬ゼミの特徴だと言えますね! 

③:就職セミナーを実施している 

薬ゼミの教室内で、予備校向けに就職セミナーが開催される事があります。国家試験の対策講義を行った後に、企業の各ブースで1日で最大5社前後の説明を受ける事が可能です。

合同就職セミナーの場合は、大きな会場を借りて行う事が多いのですが、通い慣れた薬ゼミの教室内で実施されるので、緊張せずに企業を知れる点はメリットと言えるでしょう。

開催される教室によって、地元で活動している調剤薬局も知る事が出来るのでおすすめです。また、調剤薬局だけではなく、ドラッグストア企業も参加しているので、業種によって比較するのも面白いです。

予備校生は企業を知る事で国家試験のモチベーションアップの1つになりますし、勉強の息抜きとして参加してみても良いかもしれません。さらに、参加する事でクオカードの配布も行う事があり、こちらも予備校生にとっては嬉しい特典の一つです。

薬ゼミに来る企業には、人事担当者として予備校生に近い年齢の薬剤師もいますので、仕事の事をヒヤリングしやすかったりと、今後に繋がる場所にもなります。

薬ゼミは国家試験を合格させるだけではなく、予備校生の将来も考えて、価値を提供している企業と言えますね!

④:教室の数が業界No.1 

教室数が業界の中で、1番多い点も薬ゼミの特徴になります。

薬学生の方の中に、地元の薬学部に合格する事が出来ず、地方で1人暮らしをして進学を目指している方がいます。国家試験に落ちてしまった時に、実家に帰る事が大半になり、実家を基盤に勉強を進めるのが一般的です。

そのため、実家から通える予備校を考えた時に、通学の利便性が良い事は、とても大切で、薬ゼミは全国のエリアに拠点を置いているので、家賃など学業以外の出費のロスを抑えるメリットがあります。

また、実家から通う事で、家族の支援を受けられて、目標を達成させる為のガソリンにもなります。

薬剤師国家試験は長期間机に向き合わなければいけませんし、時には一休みも必要です。特に他の予備校には教室がないエリアである、北陸金沢や九州地方にも拠点を置いている点は、予備校生としても嬉しい内容です!

実家から最も通いやすい予備校が薬ゼミであり、通う決め手の1つなったと言う方もいるはずです!

⑤:質の高い講師陣 

企業の規模が大きく、講師数は業界No.1になります。そのため、各教室で薬学生に対応出来る人数が確保できており、予備校生の人数に対して適切な講師数を在籍させています。

また、薬ゼミの新人講師は1人前になる為に、徹底した研修を受けてから教壇に立ちます。研修はベテラン講師達による厳しいチェックを受け、しっかりと教育されるため、利用者からの満足度も高いです。

さらに、薬ゼミの職員は、職場において、独自の薬局実務研修も行っている点が特徴です。実務実習を行った薬学生と、知識の偏りがない様に運営している点が、より質の高い講師陣を生み出している秘訣になります。

薬ゼミの講師になる方は、本人自身が薬剤師国家試験に失敗をした経験を活かして活躍している方が多いです。講義内容だけでなく、人生の意義についても相談する事が出来ますので、辛い時や迷った時にはメンタル面でのバックアップも心強いです!

薬ゼミ講師陣同士が仲が良いのも魅力的ですね! 

⑥:薬学生に最も使われている勉強本を作っている 

薬学生には必須な対策本である「青本」を作っている企業が薬ゼミです。薬学部の研修室に置いてある国家試験勉強本は基本的に青本で、実際に薬学部を通った方なら大半がお世話になったバイブルではないでしょうか。

薬ゼミの講師陣が長い薬剤師国家試験の歴史から、データを分析して製作しているので、分野ごとに、的確で内容の濃い参考書になっています。

中でも数冊持っていれば鞄に入らないくらいの厚さになる、「国家対策参考書」は、薬学生の約9割が使用している書籍になります。

要点集に関しては、文字数が多くなり過ぎない様に、図や表を適宜工夫していて、上手くまとまっています。私も学生時代に要点集で予習や見直しを行って、参考書で深く勉強するスタイルを行っていた記憶がありました。

原則毎年バージョンアップしますし、他にも領域別問題集や複合問題に特化した書籍も販売していて、抜け目がない印象です。また、社会人になっても薬ゼミの参考書は活用出来るので、長く使える良書と言えます!

予備校に入学しても必ず使用するので、持っていて安心出来る勉強本になりますね! 

薬ゼミを利用する際のデメリットや注意点は?

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薬ゼミを利用する際に注意するべき点や、デメリットについて、以下詳細に説明していきます。

①:入学する時期は適切かどうか

コースの種類 特徴
全日制5月、6月コース ・早くから基礎や勉強の習慣を身に付けたい方向け
・ほとんどの教室で開設している
全日制9月コース ・必須や理論問題などを幅広く演習
・基礎力+応用力を身に付ける
その他のコース ・ヤマを予想する直前講座
・夏期講習、冬期講習など短期間のコースもあり

薬ゼミには数多くのカリキュラムコースが設定されています。大きく分けると5月、6月に入るコースと9月からスタートするコース、短期間で部分的に活用するコースの3つのコースに分ける事が出来ます。

基礎から学び、コツコツと勉強への意識を高めたい方は5月、6月コースから入学します。薬ゼミでは人気があるエリアや教室で、人数制限がかかる事があり、入学したくても、出来ない時期がありました。

そのため、早い段階から動かないと、希望する教室やコースに入れない可能性があるので、注意が必要です。

しかし、早い時期から入学することで、モチベーションだけが先行し、結果的に後半に失速してしまうこともあるので、5月、6月コースと9月コースで、自分にはどちらのコースが合っているのか、しっかりと見極めた方が良いでしょう。

薬学生の中には、内定先であった企業で9月まで働いてから薬ゼミに入学する方もいますね!

②:他の予備校に気移りしていないか 

薬剤師の予備校に関して、都市部では、薬ゼミ以外の予備校も多くあり、余計な目移りをしてしまう場合があります。

しかし、他の予備校を検討して良いのは、1度薬ゼミを活用して、国家試験に失敗してしまった方だけだと個人的には考えています。

実際に薬ゼミに通っていたとしても、国家試験に落ちてしまう方はいますが、他の予備校の模擬試験も受けてみたり、他予備校の参考書のマニアになったりと、目標を迷走してしまう行動は避けた方が良いでしょう。

薬ゼミも合格率100%と完璧ではありません。ただし、薬ゼミに通うのであれば、他の予備校に興味を示さずに突き進んだ方が合格率は上がるはずです!

③:ぼっちになる可能性がある

薬ゼミの生徒数は業界で最も多く、一緒に目標を達成する為の仲間が多く集まります。

しかし中には群れを作るのが苦手な生徒もいるはずです。例えば、周りに比べると、ひと回り年齢を重ねている予備校生や、朝の授業自体に来ないで、やり過ごしてしまう方は、特に注意が必要です。

中には少人数制を導入している教室や他の予備校もありますが、薬ゼミで生活していくと、他大学の出身であったり、同じ大学の友人が居たりと、生徒同士で、様々なグループを形成して年間を過ごします。

気が合うグループ同士であれば問題はありませんが、規模が大きければ、人間関係のトラブルも起こりかねません。また、途中から入学する方も居るので、既にグループが形成していると、人によっては輪に入りにくい状況が発生します。

仲間グループを作れなかった方は、終始教室で孤独に過ごす恐れがあり、薬ゼミに通いたくないとデメリットに感じてしまう恐れがあるため、注意が必要です。

勉強は孤独との戦いになりますが、戦友を作れないと薬ゼミを上手く活用出来ないかもしれないので意識して欲しい内容になります!

④:講師と深い関係にならない様にする 

予備校生は薬ゼミ講師と深い間柄になり過ぎないようにする必要があります。

薬ゼミに通っていると、講義終了後、講師に質問をしやすい環境があったり、自習時間の隙間に談笑をして、息抜きをする事も可能です。薬ゼミ講師は講義内容にだけアドバイスを行う訳ではなく、人生の先輩として働き方や、将来についても教えてくれる大変貴重な存在です。

しかし、深い関係になる前に線引きが必要で、環境が良い中で、講師達と仲が深まると生徒が恋愛に走ってしまう事が出てきます。

先生と生徒の関係でありながら、若手の講師だと年齢も近く、親身になって勉強を教えてくれるので、目の前が見えなくなって本来の目的を見失ってしまう可能性が出てきます。

予備校生の本来の目的は、薬剤師国家資格を取得する事です。薬ゼミは生徒との恋愛を強く禁止しているので、原則講師からはアプローチはありません。予備校生は淡い期待を抱かない様に注意をして勉強しましょう! 

⑤:カリキュラムがきつい

学生時代は自分自身で勉強プランを組み立てて、机に向かい勉強を行っていましたが、薬ゼミでは予め決められたプランに沿って勉強を行います。

例えば、毎朝行われる30分間の確認テストは、前日の講義内容の復習となり、必ず9時30分に行われます。この時間帯は、国家試験開始と同じ時刻になり、毎朝30分間の確認テストを通して、本番への姿勢を習慣化させる意味があります。

平日の講義終了時間は、17時30分になりますが、その後に復習や補講も行う事があるので、遅くなることも間々あります。

月曜日には、週間のおさらいを行う「週間テスト」や「月間テスト」など決まったリズムで、テストを行う様に徹底されていて、スケジュール通りに時間が進みます。

このように薬ゼミのカリキュラムはハードなため、生活リズムをきちんと作っておかないと、付いていけない可能性も出てきます。

薬ゼミの全日制コースは平日は1日中、土曜日も基本的に教室に通って、勉強をする流れになります。

⑥:薬ゼミに就職しないかと声をかけられる 

予備校生自身が「教える仕事」に興味を持ち、自発的に薬ゼミに就職したいと思う分には良いのですが、中には、薬ゼミ側の判断で、優秀で社風に合っている予備校生に対し、「将来ウチで働かないか」と、アプローチをする場面もあるので注意が必要です。

実際に、現職の薬ゼミ講師らは、過去に薬ゼミを活用していて、薬剤師免許を取得後、そのまま薬ゼミに就職している方が多いです。

 

もちろん講師は予備校生に対して合格に重点を置いていますが、予期せぬタイミングでスカウトをされる場合あるので、興味がない生徒にとっては迷惑なため、本項に記載しました。

無理な勧誘はないので、その点は安心してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

記事を書いてみて薬ゼミは業界屈指のデータ分析と解析を実践している事、前線で活躍する質の高い講師陣を揃えていている事が分かりました。

その結果、多くの薬剤師を世の中に輩出している大手企業であると再認識する事が出来ました。

薬ゼミ以外の薬剤師国家家試験の予備校に関しては、以下のエントリーにまとめているため、そちらも合わせて参考にして頂ければ幸いです!

本記事が、少しでも何かの力になれたら嬉しいです。それでは、また!

 

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