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薬剤師の国家試験について!現役薬剤師が実際に行った対策を全て語る!

ハイ、キクオです!

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本エントリーでは、薬剤師の国家試験について、体験談をもとに詳細に語っていきたいと思います。

薬学生の方は、学生時代の私と同様に、国家試験対策に追われているのではないでしょうか。長く続く、辛い勉強で心が折れてしまう時もあるはずです。

【2017/10/02 問題集追加】

今回は、私が試験勉強中にしていた、息抜き方法なども合わせて記載するので、具体的な対策方法が知りたい方は、是非参考にしてみて下さい。

以下、目次となります。

 

では、いってみましょう!

薬剤師国家試験概要

以下、厚生労働省ホームページより抜粋した、薬剤師国家試験の概要について記載します。より詳細な事項について知りたい方は、過去問の掲載もある為、是非『薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 』を参照してみましょう。

試験時期・試験地

試験時期については、例年、2月後半の土日の2日間で、実施されることが多いです。また、試験地については、北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県及び福岡県など、すべての薬学部が設置されている県が対象になります。

出題範囲

以下出題範囲となります。必須問題試験と、一般問題試験の2種類に分けられ、必須問題試験については、必ず各科目30%以上正答しなければならず、全体として70%以上正解しなければ、合格基準を満たしません。

必須問題試験

【必須問題試験】

  • 物理・化学・生物 15問
  • 衛生 10問
  • 薬理 15問
  • 薬剤 15問
  • 病態・薬物治療 15問
  • 法規・制度・倫理 10問
  • 実務 10問

必須問題は90問で構成され、5択から正しい答えを1つ選びます(1問1答)。 必須問題について、全問題への配点の70%以上(63問以上)の正答が必須となります。かつ、構成する各科目の得点が、それぞれ配点の30%以上(10問なら3点以上、15問なら5問以上)が合格基準となります。

 一般問題試験

薬学理論問題試験と薬学実践問題にて構成されます。薬学理論問題試験については、全105問で、薬学実践問題については、全150問となります。合計で255問で構成されている試験です。一般問題については、必須問題と違い足切りラインが存在しません。

しかし、必須問題と合わせて、合計で65%以上の正答が必要となります。

以下、それぞれに分け詳しく解説します。

【薬学理論問題試験】

  • 物理・化学・生物 30問
  • 衛生 20問
  • 薬理 15問
  • 薬剤 15問
  • 病態・薬物治療 15問
  • 法規・制度・倫理 10問

薬学理論問題試験は正答の選択肢が1つではない形式、選択肢のすべての組合せから正答肢を選択する形式の問題が出題されます。

以下は薬学実施問題試験の出題問題範囲と問題数です。

【薬学実践問題試験】

  • 物理・化学・生物 15問
  • 衛生 10問
  • 薬理 10問
  • 薬剤 10問
  • 病態・薬物治療 10問
  • 法規・制度・倫理 10問
  • 実務 85問

薬学実践問題は、実践の場で取り得る選択肢の中から、最も適切なものを選択する問題となります。明らかに誤りであったり、重要性が低い選択肢を選ぶ問題や、添付文書などを活用することで、解答を導くような問題も出題されます。

合格基準

上述しましたが、以下に合格基準を纏めます。全てを満たした場合のみ合格となり、晴れて薬剤師免許を取得することが出来ます。

  • 全問題の得点が443点(65%)以上の正答。
  • 必須問題について、70%以上の正答で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上の正答。
  • 配点は1問2点(682点満点)345問(廃問4問)とする。

特に必須問題で足切りを受けた同期がいたため、受験の際は入念に準備する事が必要になります。 

受験資格

本項では受験資格について説明します。簡単に大別すると、6年生薬学過程を修めて修了した方が対象となりますが、以下、厚生労働省のHPに詳細な受験資格の記載があります。

6年生薬学過程以外や、国外の薬学部を修了し、日本で薬剤師試験受験を考えている方は、参考にしてみて下さい。

1. (1) 薬剤師法第15条第1号の規定に基づく受験資格

学校教育法に基づく大学において、薬学の正規の課程(6年制薬学課程)を修めて卒業した者。

2. (2)薬剤師法第15条第2号の規定に基づく受験資格

外国の薬学校を卒業し、又は外国の薬剤師免許を受けた者で、平成24年4月1日以降に、厚生労働大臣が(1)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者

3. (3)薬剤師法の一部を改正する法律(平成16年法律第134号。以下「改正法」という。)附則第2条及び第3条の規定に基づく受験資格

  •  改正法の施行日(平成18年4月1日。)において、改正法による改正前の薬剤師法、第15条第1号に該当する者
  •  施行日において、旧薬剤師法第15条第2号に該当する者
  •  施行日前に学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)に在学し、施行日以後に旧薬剤師法第15条第1号に規定する要件に該当することとなった者。
  •  平成18年度から平成29年度までの間に学校教育法に基づく大学に入学し、4年制薬学課程を修めて卒業し、かつ、学校教育法に基づく大学院において、薬学の修士又は博士の課程を修了した者であって、厚生労働大臣が、薬剤師法の一部を改正する法律附則第3条の規定に基づく厚生労働大臣の認定に関する省令、第1条の規定に基づき、改正法による改正後の薬剤師法第15条第1号に掲げる者と、同等以上の学力及び技能を有すると認定した者。

受験手続

私の場合は、大学側が対象者にガイダンスを行った為、薬学生は詳細に知る必要はありませんでした。

受験料はもちろん自己負担となり、私は大学側から証明写真の提出と、申請用紙の記載行い、手続きは終了しました。私と同様に大学に在学しており、大学側にて手続きを実施してくれる際は、特に注意点は不要ですが、自身にて申請する場合は、以下、厚生労働省記載の申請手順を参考にして下さい。

合格者の発表

試験の合格者は、3月下旬に厚生労働省本省並びに、地方厚生局及び、地方厚生支局にその受験地及び受験番号を掲示して発表する他、合格者に対して合格証書を郵送します。

試験に合格出来なかった友人もいる為、非常に神経を使う時期となるので、ある程度覚悟しておきましょう。

 

薬剤師の国家試験の対策・心構え

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本項では、薬剤師の国家家試験対策について、具体的な方法や心構えを記載します。闇雲に勉強しても決して光明は見えない為、限られた時間を有効に活用し、効率よく勉強を進めていきましょう。

1.薬剤師国家試験対策予備校を活用する

独学での勉強が心もとない方は、予備校を利用する事を強く推奨します。

予備校では、国家試験に対する、様々なノウハウや知見が蓄えられており、過去の国家試験のデータの解析から、合格に必要な要点が良く纏められています。

私立大学では、6年生から1年間国家試験対策として予備校の講師が授業を行います。私の通っていた大学では、朝から昼まで予備校の授業の時があり、そこで基礎となる知識、問題の解き方や、語呂合わせによる暗記方法などを教示して頂きました。

自分一人では解決できない事項を、サポートしてくれる点も強みの一つです。例えば最近話題に上がった新しい薬品や、法改定について知識を問う問題などで、私の場合は非常に参考になりました。

また、効率よく勉強を進める為には、予備校が出版している問題集、要点集を繰り返しインプットすることが大切になります。

講師の質にバラつきがあり、新米講師の場合、配られる要点集をただ読んでいるだけという授業もありました。その為、全ての予備校の授業に出席するわけではなく、有用な講師の授業のみ受講する事や、自分の不得意分野を補強したりするなど、メリハリをつけて望む方が効率的です。

2.小さな目標と自分のルーチンを設定しておく

国家試験対策は私立大学の場合は6年生から本格的に開始されます。その為、約1年間という長期戦を勝ち抜いていかなければいけません。始めから1日10時間集中して勉強をすると決めていたとしても、それが1年間も続く人は多くはいません。

1日のスケジュールとして、自身の大まかな流れと小さな目標・到達点の設定を行い挑む事を心掛けましょう。1日ではなく1週間単位で行っても構いません。私の場合は、朝早くから学校に行き、授業が始まる前に国家試験対策を行っていました。

1年間を戦い抜くために、勉強のリズムを作ることは非常に重要になり、例え勉強を進めていたからと言って、夜型リズムに陥ると集中力が低下し、体調も崩しやすくなります。

勿論、私も1年間ずっとそのリズムが続いた訳ではありません。朝寝坊した事もありましたし、昼には寝てしまう事もありました。

しかし、6年生の1年間に立てた、この小さな目標で机に向かう習慣が出来た事も事実です。また、1日に200問解く、1週間に薬理・薬物治療を網羅する、といった具体的な目標を作る事も大切です。

長丁場をしっかりと見据え、ペース配分を考え、自身の勉強リズム、ルーチンを確立しましょう。

3.息抜きできる環境を作っておく

薬学生にとっては国家資格取得は、6年間を通した大きな目標になります。大学受験時よりも勉強の質、量が格段に増え、プレッシャーから、病んでしまったり、時には自殺をしてしまう人も出てきます。

毎日勉強することを苦痛に感じない人は中々いません。そんな時、自分がリラックスできる趣味や環境を把握しておくことは、非常に重要な事項の一つです。集中力は長くは継続しない為、自身の精神を効率的に弛緩させる方法を知っておく必要があります。

私は汗を流すことがストレス発散方法だった為、お昼休みに友人とフットサルなどをして、身体を動かしていました。思い切り動いた後は、大抵、疲れて眠ってしまいましたが、とても良いストレス発散方法だったと思っています。

定期的に飲み会を開くことも、おすすめのストレス発散方法の一つです。同じ苦しみを持つ薬学生の同期と愚痴を言い合いながらお酒を飲む事は、長い試験勉強を乗り切る為の重要な手段の一つです。

4.試験委員会の関係者と仲良くしておくと良い

私の薬学部時代のゼミの友人に聞いたところ、国家試験を作っている試験委員会の関係者と接点があると、出題傾向や内容をほんの少し聞き出せることがあった様です。信憑性について、断定的な事は言えませんが、少なくとも接点がある方は、それを大事にしておいた方が良いでしょう。

 

国家試験の具体的な勉強方法

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本項目については、国家試験の具体的な勉強方法について記載します。実際に私はこの勉強方法により、薬剤師の国家試験を現役で突破した為、勉強方法について悩んでいる方は参考にして頂ければ幸いです。

10年分の国家試験過去問を3回以上解く事

過去問はとにかく回答する事を強くおすすめします。理由として、過去10年間の国家試験から、約20%の類似問題が再出題されるからです。

私は予備校から出版される、解説付き国家試験問題集を先輩から譲り受け、ひたすら解きました。解説がよくわからない問題があれば、予備校講師に教えてもらったり、要点集を見返し、理解できるまで何度も解き直しました。

国家試験は暗記ゲームです。100点を目指すことを目標にしていないため、暗記をどれだけしたかで合格が決まるといっても過言ではありません。

数学を勉強する時の様に、理論的に考えることも重要ですが、根性論で出題範囲を網羅するほど暗記する事は、より重要です。

大学の教授が行う授業内容については定期試験、卒業試験には重要になりますが、国家試験とは関係性が薄い為、その点は注意して下さい。

10年分の過去問を3回以上解き直す事は、非常に時間がかかるため、余裕を持って計画的に実施する必要があります。

私の場合は、6年生の4月から対策を初めて、過去問については4周しました。正直、解答を丸暗記する領域までいきましたが、そのおかげで、国家試験8割以上の得点を獲得する事が出来、現役で合格することが出来ました。

広く浅く暗記する

国家試験の出題範囲は物理・化学・生物・衛生・薬理・薬剤・病態・薬物治療・法規・制度・倫理・実務と広く、暗記する量が非常に膨大です。各科目には、広辞苑並みの厚さの参考書があり、熟読するだけでも1冊1週間はかかると言われています。

その為、問題の解法が分からない場合、周りなどに助けを求め、解決するのに1時間以上かける人がいます。薬剤師になってからは、このような追及する能力は非常に大切になりますが、国家試験の勉強方法としては、おすすめ出来ません。

なぜなら、国家試験は100点満点を取得する事が目標ではないからです。その問題が、今年の試験に出題されるとは限らない為、長く1つの問題に時間を掛けるのであれば、1つでも多く、次の問題にチャレンジする事をおすすめします。

また同じ教科を1週間続けて勉強を行うよりも、時間で区切り、順次教科を切り替える勉強方法の方が飽きも少なく効率的です。

出題範囲の中で、特に暗記科目に分類される教科は、生物・衛生・薬理・病態・薬物治療・法規です。私は暗記に自信を持っていましたので、これらの教科を潰して自信をつけていました。

具体的には、これらの教科を時間内に暗記するだけ暗記し、脳内メモリーが少なくなった時(暗記に飽きてきたら)に、理論的に考える科目の物理・化学・薬剤へ切り替えて勉強を進めていました。

繰り返しになりますが、薬剤師国家試験は暗記ゲームです。広く浅く暗記した方が間違いなく合格に近づくことが出来ます。

必須問題対策の暗記カードを作成する

英単語を覚えた時の様に、暗記カードを自ら作成します。移動中や空いた時間に、手軽に見返す事が可能となり、必須問題の得点源になるからです。

必須問題については、得点として取得しやすい範囲になるため、暗記が重要になっていきます。作成する内容はCBTで行った問題でもいいですし、予備校が作成している問題集で自分が間違えた内容のもの、1度暗記した内容であるが忘れやすいものなど、ピックアップして作成してみましょう。

1日目の必須問題は、マークシートに記入する動作も含めて、1問1分で答えなければいけません。そのため問題と用語を見た時点で、答えが反射的に分かるほど反復練習し、記憶を定着させることが肝心です。

注意点は、引っ掛け問題が出た場合に、反射的に回答してしまうと間違えてしまう可能性があることです。 必須問題で、8割以上得点と取れるようになると合格にグッと近づきます。

暗記を制する者、つまり、必須問題を制する者は、国家試験を制すると言っても過言ではありません。

おすすめ参考図書

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本項では、私が国家試験受験勉強時に活用した教材について紹介します。有名な教材も多いですが、自身にフィットする教材が中々見つかっていない方は、是非参考にしてみて下さい。

本項については、随時追記していく予定です。

薬ゼミの要点集

見開き構成になっていて、出題頻度の高い範囲を網羅しています。シンプルな説明で無駄が無く、図表や絵が多くあり、理解しやすい参考書になっています。

赤字で記載されている箇所は、間違いなく優先的に暗記しましょう。この要点集を元に暗記カードを作成しても良いと思います。

覚えた方やゴロも掲載されているため、暗記の時間短縮にもなります。出題頻度を星マークの数で表しており、要点が簡潔にまとまっているため重宝する1冊となります。

大学の先輩に必ず持っている人が1人はいるため、私は合格した先輩から無料で譲って頂きました。大学によっては研究室に一冊置いてあるところもあるほど、有名な参考書です。

薬剤師国家試験 既出問題集(第93回~第102回)

いわゆる過去問と呼ばれる問題集になります。問題を解いた場合に、どこが間違えているのか解説されている点が素晴らしいです。私は過去10年分の過去問を先輩から頂くことが出来たので、これを4回繰り返して勉強を進めていきました。

要点集をある程度勉強した後に、この問題集を解きます。始める時期が早ければ早いほど良いため、私は5月の時点で1回は問題を解いていました。

この過去問を4回以上回答して9割取れるようになったら、国家試験合格は間違いないと思います。

コアカリポケット問題集

薬学予備校No1の薬学ゼミナールではない会社から出版されている問題集になります。

問題数が多い点と、手軽に持ち運ぶができるため、通勤時間や隙間時間に勉強することができます。科目ごとに問題集が販売されているため、自分が苦手な科目だけを購入することも可能です。

私は化学と物理が苦手だったので、その2つ購入しました。また問題集を切り取ることが可能なため、暗記カードとして使用出来る点も魅力です。

4年生のCBT対策にも十分通用するため、4年生の内に購入し、活用しても良いかもしれません。

薬剤師国家試験対策 必須問題集I・Ⅱ

必須問題を網羅している問題集になります。Ⅰでは物理・化学・生物・衛生の範囲を、Ⅱでは薬理・薬剤・病態・薬物治療・法規・制度・倫理・実務のジャンルから構成されてます。

薬剤師国家試験では必須問題での足切りや得点が合格に直結するくらい重要になりますので、過去3年分の中で自分が苦手な範囲を発見して、ⅠかⅡ、又は両方を3回以上解いてみると弱点が補強されます。

必須問題を9割正解すると、国家試験の2日目はメンタル的にも楽になるので、持っておいて損はない問題集になります。6年生からでも充分活躍できる本ですし、4年生から問題に慣れておくと、後々余裕をもって試験対策に臨めるのでおすすめです。

 

新薬剤師国家試験対策精選問題集 5 薬理

薬理における必須問題・理論問題・実践問題のすべてが詰まった問題集になります。他にも科目ごとに分かれて問題集が出ていますが、初めは薬理から問題を解いていった方が効率が良いです。

薬理の問題には疾患の病名や病態など、知っておくべき必要な知識も試されますし、問題を解いていく内に見た事がある単語が増えていくので後々に病態・薬物治療のジャンルが理解出来る様になります。

つまり問題集の中でも薬理学を率先して取り組むようにすれば、他の科目も効率よく覚えることが出来るのです。実践問題では臨床で実際に行うべき良問もありますので、解いていて楽しいと思います。薬理を制して自分の勉強スタイルを確定させておくと、次のジャンルも流れが出来るのでおすすめな問題集の1つです。

 

国家試験勉強の流れ

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本項については、国家試験対策のための勉強の流れを時系列順に説明していきます。実際に合格した方が、いつから対策を始めたか知りたい方の参考になれば幸いです。

薬学部5年生12月頃(勉強開始)

私の場合、5年生の12月頃から対策を始めました。実習が1期と2期にあったため、卒論と並行して、少しずつ勉強を始めていました。

まだ本段階では本腰ではなく、先輩から勉強方法をヒアリングしたり、要点集に少しずつ目を通したりと言った勉強になります。

薬学部6年生7月頃(卒業試験)

卒業試験の名目で国家試験に沿った内容のテストが、7月に行われます。まずはその7月の卒業試験に向けて必死に勉強を行います。

7月の卒業試験は、大学教員がオリジナルで作成した問題になりますが、学生の事情を余り加味しない教員の場合、国家試験に沿った問題を出題するのではなく、自身の専門知識を織り交ぜた予想問題を出してくることがあります。

国家試験作成委員会に所属していない教員が作る問題ほど、怖いものはなかったです。そのテストをクリアしなければ卒業もできない為、対策には、非常に神経を使いました。

7月の卒業試験で成績が悪かった人は、8月から補講を行うことになります。補講対象者は予備校対策授業を受けた後に、大学教員によるミニテストや授業があります。私の大学はいかに合格率を上げる為に必死であったので、上記のような対策がありました。

薬学部6年生10月頃(予備校模試)

10月頃になると、予備校が作成する模試が行われます。模試は通常の国家試験の2倍ほど難しく作成してあることが多いため、ほとんどの生徒が終わった後に意気消沈していました。

私は結局1度も合格ラインを超える事が出来ませんでした。この時期になると中だるみでモチベーションの維持が難しくなっていきます。大学側についても、学生のやる気を上げるために、あえて厳しい仕打ちを続けます。

この時期に、大きなストレスを感じ、それに耐えきれなくなり、フェードアウトしてしまう学生が何人かいました。

薬学部6年生12月頃(2回目の卒業試験)

12月に2回目の卒業試験が訪れます。この試験についても、7月同様国家試験に沿った問題になります。この試験の結果で卒業の可否が決定し、通過後、ようやく国家試験を受験できるスタートラインに立つことが出来ます。

ここで落第してしまうと留年確定の為、周囲はピリピリしている人が多くなります。下手に合否がどうであったかと聞けない状況に陥ります。私は合格の知らせがあった後は、インフルエンザに注意してひたすら机に向かっていました。そして、いよいよ2月下旬に国家試験本番が待ち構えているのです。

勉強時間について

私は1日平均8時間くらい試験勉強に費やしていました。この時間は、周りと比較した場合、少ない方だと思います。

土、日曜日も勉強していましたが、出来るだけリラックスしてから、ゆるく勉強を行う事を心掛けていました。6年生の始まりの時は、1日4時間くらいの勉強時間でしたが時期が迫ってくるにつれて、1日10時間以上と必死に問題を解いていました。

平日は午前8時までに起床して、9時に大学に向かい、通勤時間で暗記タイムや今日の学習範囲を考えていました。午後3時頃まで国家試験対策の予備校教師が大学に来ているため、その講義を受講し勉強を進めていました。

講義の後は自由時間となり、大学に残ってひたすら自習を進めていきました。日が暮れると、夕飯を同級生と食べに行き、その後また大学に戻り勉強するといったサイクルが多かったです。

 

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございました。薬剤師国家試験は一筋縄ではいきませんが、満点を取る必要はない為、きちんと努力した人であれば合格は可能です。

小さな目標を設定し、少しずつクリアしていけば自信にも繋がり、やる気も上がります。暗記量が膨大であるため、早めに対策をすることも重要ですが、モチベーションを維持することも、大切な事項の一つです。

少しでも気分が乗らないときや、ストレスを感じた時は、早めに対処することをおすすめします。

本エントリーが、暗記ゲームという国家試験をクリアするために、少しでも参考になれば、幸いです。

内容については、随時追加予定の為、またおすすめの参考書などが見つかりましたら、追記します!

 

キクオ