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薬学部の学費について!私立や国公立を徹底比較!

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今回は、薬学部の学費について、どこよりも詳しく解説します!

私立の薬学部の学費や国公立の薬学部の学費の詳細や、その比較、またそれぞれの大学のメリットやデメリットについても残さず説明していくので、薬学部に興味がある方は是非参考にして下さい!

以下、簡単な目次となります。 

目次

 

私立と国公立で薬学部の学費を徹底比較!

本項では、主要な私立の薬学部と、国公立の薬学部の学費を徹底的に比較します!

以下、私立と国立の薬学部で6年間にかかる学費のグラフになります。

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私立大学の薬学部で、卒業する為にかかる学費は約1200万円になります。各大学で多少前後する事がありますが、1年間当たり200万円の支出があると考えて良いでしょう。

以下に、より詳細な私立の薬学部と国立の薬学部の学費の表を記載します。 

大学名(私立薬学部) 6年間学費合計(円)
慶應義塾大学 13,419,600
福岡大学 12,528,260
星薬科大学 11,983,850
名城大学 11,900,000
徳島文理大学 11,620,000
昭和大学 11,500,000
北海道医療大学 11,400,000
東北薬科大学 11,350,000
京都薬科大学 11,200,000
神戸薬科大学 11,200,000
大学(国公立薬学部) 6年間学費合計(円)
国公立大学薬学部 3,496,800

国公立大学に関しては、1年間当たり約60万円、6年間で350万円前後の支出で済みます。また、全国における国立大学の学費は、どの大学もほとんど同じ学費になっていたので、私立大学と異なり、学費が均一になっている特徴もあります。

私立と国公立どちらも、学費だけの金額を表しているので、実際には、学費に加えて教科書代、1人暮らしをするのであれば月々の生活費がかかり、卒業までには、さらに多くの費用が必要となります。

私は、私立大学の薬学部を卒業していますが、実際に年間200万円の生活費がかかっていました。

また、兄弟や姉妹で、私立の薬学部に進学する方もいて、仮にストレートで卒業したとしても2人で2400万円以上がかかります。最も恐ろしいのが、「留年」であり、1回留年をしてしまうと、追加で年間200万円がかかってしまいます。

定期テストの多さと、難易度の難しさにより単位を落としてしまい、再試験を受ける事がありますが、1つの単位を再試験する為に、お金が数千円かかる大学もある点も要注意です。

ストレートに進学できれば良いのですが、必ずしも大学のホームページ上だけの学費を信用しない様にした方が良いでしょう!

留年をしない事は、最重要項目であり、在学特に特に注意をする事になります。 

私立の薬学部の学費の詳細は?

私立の薬学部を卒業するまでに、約1200万円の学費がかかる事が分かりました。

今回は、私立系の薬学部の中で有名な大学であり、学費も6年間で平均的な1200万円となる「星薬科大学」を例に紹介していきます。

以下、星薬科大学(私立薬学部)の初年度及び2年次以降の学費の内訳となります。 

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学費の内訳はシンプルで、授業料、研究室の実験器具の購入や、メンテナンスなどの施設建設費用、入学金がメインになります。

多くの割合を占めているのは、授業料になり、基本的に全国どこの私立薬学部も授業料だけで、年間100万円の費用がかかります。薬学生は、研究棟で日が暮れるまで、実習を行いますので、研究資材や研究器具の手入れ代も必要になっていきます。

また、多くの私立薬学部で、初年度と2年次以降に支払う学費が異なっている点にも注意してください。

初年度は、入学金が発生するので、年間200万円を超える大学が多く、それ以降だと、入学金が発生しないので、2年生から6年生の5年間は、学費が200万円を切る場合があります。

星薬科大学の場合だと、2年次以降は193万円の学費がかかる計算になり、つまり、1年生から2年生になれずに留年をしてしまうと、追加で学費が193万円程かかるということです。

また1年を前期、後期に分けて学費を支払う事が多いので、前期に100万円、後期に100万円と分けて支払いが発生する事もおさえておくと良いでしょう。

国公立の薬学部の学費の詳細は?

国公立の薬学部の学費は、6年間で約350万円前後となります。私立の学費が、6年間で、1200万円になりますので、3分の1以下の金額で、薬剤師を目指す事が出来ます。

以下、国公立大学の薬学部の学費の内訳を見ていきましょう!

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入学初年度のみに、私立同様に入学金が発生します。入学金も私立が約40万円に対して、国公立では、30万円以下と良心的な学費になっています。

2年目以降は、入学金がありませんので、年間約50万円の授業料だけになり、私立同様に前期と後期の半分に分けて学費を支払います。

年間50万円であると、月にだいたい4万円程度になるので、国公立の学部生は、いかに安い授業料かが分かります。

また、私立と内訳を比較すると、国公立には、施設建設費が存在していないことが分かります。国公立大学については、外装は基本的にはシンプルですが、私立であると、お洒落で、綺麗な外装である事が多いです。

人数を集めるためにも、何か特徴的で、目立つ大学作りを私立は行っています。国公立では、外観の派手さはありませんが、学費も非常に安い設定になっています。 

薬学部へ進学する際に学費を安く抑えたい方が知るべき5つのこと

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さて、私立及び国公立の薬学部の学費の詳細は理解出来たでしょうか。本項では、学費をより安く抑えたい方に、是非知って欲しいことについて、順番に解説していきます。

1.私立大学によって学費が異なる

今回詳細に学費を記載した星薬科大学は、一般的に薬学部を卒業するまでにかかる費用の1200万円になります。

しかし、他の私立の薬学部を見てみると、1100万円で済む大学もあったり、1300万円以上もかかってしまう大学もあるため、各大学の学費を比較する方法が、1つのポイントになります。

極端に低い私立の薬学部はありませんので、最低でも6年間で1000万円以上必要になりますが、平均的な1200万円よりも、学費が低い大学を選択すると良いでしょう。

もちろん国公立の薬学部に進学する方法が、圧倒的に学費を抑える事が出来ますが、限られた枠で、人気のある学部になるので、高校生の内から薬科大学を調べて、大学毎に学費を比較してみると良いでしょう! 

2.学費免除のシステムと奨学金の枠と質を調べる

各大学には、学費を負担してくれる場合や、免除できるシステムがあります!

例えば、テストの成績が、学年でトップ10に入れば、報酬が貰える大学もありますし、入試の時に上位の点数であれば、特待生として入学出来る大学もあり、授業料が半額になる場合もあります。

大学ごとの学費免除システムを上手く活用すると、6年間の学費が、1200万円を超えないで薬剤師になる事が可能です。

特待生などを学費免除をシステムを上手く使えば、私立大学の中には、6年間で300万円の学費しか必要としない場合もあり、国公立よりも安く通える大学もあります。

例えば、偏差値が60以上ある高校生が、偏差値に合わせた私立大学を選ぶよりも、少しレベルを下げた大学に進学する事で、特待生になり、学費を免除して薬剤師を目指す事が出来ます。

実際に私の知り合いにも、家庭の都合で、限りなく学費を安く済ませたい方がいて、特待生を狙える私立大学に狙い撃ちで進学した方もいます。

注意点としては、大学に入る時だけではなく、在籍中も、常に成績を上位に保たなければいけないプレッシャーがあるので、6年間気が抜けない事になるでしょう。

また国公立、私立共に無利子の奨学金制度がありますが、無利子の枠がどれくらいなのかは、各大学で異なりますので、希望する大学に関しては、事前に下調べをして、学費のシミュレーションを行ってみると良いでしょう! 

薬剤師を目指しているけれど、学費が気になる方は、是非活用しましょう!

3.留年しにくい大学を選ぶ

私立の薬学部の運営は、在学生の国家試験合格率が、大きな鍵になります。在学生が留年していない大学は、人気がありますし、偏差値も高い傾向にあります。

学費を抑える最大のポイントは、1度も留年をしないで進学する事に尽きます。1回の留年で200万円飛んでいくと考えると、両親から入学時に、「絶対に留年だけはするな」と口を酸っぱくして伝えられた方も多いでしょう。

留年しにくい大学は、大学内にも意識が高い同級生がいる事も魅力です。また、1年生からストレートで卒業出来る人数の割合が、多く占めている大学を選択する点もポイントです。

先ずは学ぶ事が好きな方が多く集まる、国公立大学が第1候補になります。授業だけに留まらず、自分から問題提起や課題を発見して、解決する事が出来る方が多いので、在学中に留年する薬学生は少ないです。

一方、私立になると高校時代に、物理を選択していない方もいて、大学での勉強内容について行けなくなったり、大学生独特の楽しさに流されてしまい、留年してしまう方が一定数います。

国立と私立は、学費も大きく異なりますが、薬学部の留年率に関しても、国立が有利である事を知っておくと良いでしょう。

私立だけを考えてみると、1年生には300人いた同級生も、6年生になるまでに、200人以下に減っている私立大学もあります。酷いと更に留年の割合が高い大学もあるので、注意が必要です!

もし本エントリーを読んでいる方で、薬学部の留年について詳しく知りたい方は、以下のエントリーにまとめている為、参考にして下さい!

各大学の国家試験合格率だけを見るのではなくて、進級率に焦点を当てて、大学選びを行うと学費も抑える事が出来る事でしょう。 

4.実家から通学する

1つの県に複数薬学部がある県もありますが、薬学部を設立していない県もあります。

例えば、沖縄県は薬学部がないので、薬剤師になる為に、地元を離れて大学に通う必要があります。

沖縄に関しては、実家から通う方法がないので、仕方がありませんが、なるべく1人暮らしにならない様に、実家から通う事が出来る大学選びを心がけて下さい。

私立の薬学部は、上記した様に学費が約1200万円かかりますが、1人暮らしの場合、さらに生活費や食費が必要となります。もちろん実家暮らしでも、お金がかかりますが、1人暮らしよりは、安く済ませる事が出来ます。

特に私立大学の薬学部は、関東地方に多く存在しているので、東京で1人暮らしを始める方は、仕送りが月に10万円でも足りないはずです。

アルバイトを行う事は自由ですが、アルバイトを行い過ぎて学業が疎かになり、留年してしまう事が最も学費がかかります。

私の友人は、親がストレートで薬剤師になって欲しいと考えて、月に20万円以上の仕送りをしていました。実際に、彼は在学中は1度もアルバイトを行なっていなかったので、年間で240万円以上の家賃と生活費をかけていて、驚いた記憶があります。

可能な限り、実家から通える大学を第一優先にして考えてみましょう! 

5.教科書の購入を見直す

薬学部の学費には、教科書代やテキスト代が含まれていない事が多いです。

1年生は、特に購入する教科書も多く、私は全ての教科書を購入しました。具体的な金額は覚えていませんが、5万円以上は毎年かかる事を頭に入れておくと良いでしょう。

必須の科目ならまだしも、選択教科の教科書も購入するケースがあり、大きな出費になります。日本薬局方という薬剤師であれば購入するべき本もありましたが、実際には数回しか開いた事がない本もありましたし、場所だけを取る辞書もありました。

新入生の時には、何が必要なのか分かりません。私の大学では、教科書からテスト問題を出す講師もいましたが、多くが過去問と日頃の授業内容で、クリアする事が可能な大学でした。

2年生、3年生と進学していくと、購入して勿体なかった教科書が、必ず出てくるはずです。

多くの方は、指定された教科書を全て購入する方が、安心だと思うかもしれませんが、講師の先生が変わらなかったり、教科書が改定しない限りは、同じ内容の教科書で十分な場合が多いです。

余計なお金を発生させない為に、1つ上の先輩からお古の教科書を安く購入したり、場合によっては、無料で貰う様に働きかける事がポイントです。

また、先輩に絶対に購入した方が良い教科書を相談する事も良いでしょう!

新入生の時は、先輩との交流も0かもしれませんが、2年生以降の教科書を購入する時には、上手く情報を手に入れる事が大切です。

私は社会人になっても購入した教科書を捨てるのが勿体なくて、薬理学の教科書を捨てないで、自宅に保管していました。

実際に病院薬剤師として勤めましたが、薬理に詳しくなる事よりも、ファーストラインで使用する薬や、主な副作用、患者さんから1番聞かれる事の回答を知る方が、明らかに実践的だと感じました。

教科書が不要とまでは言いませんが、少しでも学費を抑えたいのあれば、進学に必須の教科書を見極めたり、先輩からのお古の教科書を上手くもらうなどしてみましょう! 

私立の薬学部の良い点は?

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学費が高い事に目が行きがちですが、私立の薬学部は国公立の薬学部には無い良い点もたくさんあります。

本項では、その中でも特に知ってもらいたいものについて解説していきます。

1.国家試験に合格するプログラムが用意されている

私立の薬学部に入る学生の目標は、薬剤師になる事、薬剤師の国家資格を手に入れる事になります。国公立の薬学部出身の方は、創薬系の研究に打ち込み、研究職になる事を視野に入れている場合もあり、一概に薬剤師国家試験をパスするだけが、目的ではありません。

私立のメリットは、国家試験対策を考えてスケジュールを組んでいる点になります。

私立の薬学部の評価は、国家試験の合格率に直結しています。毎年の薬剤師国家試験合格率が悪い大学だと、定員割れを起こしてしまい、大学側の収入が減ってしまいます。

しかし、国公立の薬学部は、毎年定員割れを起こさないので、そこまで現役生の国家試験合格率を気にしていません。

具体的な合格へのプログラムとして、多くの私立は、6年生の丸1年間を国家試験対策に当てるのに対して、国公立は遅いと冬から国家試験対策が行われます。

6年生の時に、卒業論文の発表があるのですが、国公立の薬学生は、ギリギリまで研究や卒論に追われているのに対して、私の通っていた私立大学では、早ければ5年生の時に卒論が終わる研究室もありました。

さらに、私立の薬学部では、薬剤師国家試験予備校の講師を招いて、早い段階から対策を行うなど、6年生の1年間は、様々な面で国家試験突破を第一に考えた対策が行われていました。

国公立と比べると、勉強する時間も確保出来る点は、私立のメリットになるでしょう。 

2.私立の薬学部は同士が多い

私立大学は、同級生が200人、多いと300人の規模になり、クラスも2つや3つに分けて講義を受ける事があります。同級生が多いだけではなくて、6学年の規模のキャンパスになり、先輩後輩も多く接する事が出来ます。

他にも就職活動時の相談や、将来社会に出ても、繋がる事が出来る仲間作りを行う事が可能です。特に先輩は、就職活動に対して有益な情報を持っていたり、実務実習先の体験談を話してくれるので、予習を行い実習に望む事が出来るメリットがあります。

サークル活動も活発で、苦しい薬学部のスケジュールの息抜きとして、薬学部をエンジョイする事が出来るでしょう。

また、社会に出ると、コミュニケーション能力は必須になりますが、私立大学は学生人数が多い事で、様々なキャラクターの方と、会話をしたり、共に実験、実習を行う事になります。

色々な人とコミュニケーションを交わすと、薬剤師に特に必要な能力になる、対人関係の処理スキルも自然に獲得することが出来、その点も大きなメリットになるでしょう!

私は、6年生の国家試験対策の時に、一緒になって机に向かってくれた友人が居たから、現役合格が出来たと思っています! 

3.キャンパスが綺麗

私立ではキャンパスも薬学部だけ別館にして建設していたり、講演会を行える様な、広くて綺麗な講義室が用意されている場合が多いです。

私が卒業した大学では、自然の素材を意識した木目調の教室や食堂、研究棟は綺麗で広い空間が特徴的でしたし、常に研究用具もアップデートされて、整理整頓されている環境でした。

薬学部だけがある大学ではなく、医学部や看護学部など医療系に対して網羅している私立であると、キャンパスがより広大で、他職種を目指す学生と交流出来るので、理想的なキャンパスライフを過ごせる事でしょう。

私も高校生の時に、私立の薬科大学のオープンキャンパスに行き、余りの広さに驚愕した事がありました。

6年間という普通の大学生よりも2年間多く通う薬学部であれば、環境や大学の雰囲気も勉強のモチベーションを保つ重要な要素の一つです。

国立大学も敷地は広いですが、各学部をみるとボロボロな棟もあるので、キャンパスの綺麗さや環境の良さは私大のメリットになります! 

私立の薬学部の悪い点は?

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メリットの裏にはもちろん悪い点もあります。上記では私立薬学部の良い点を解説しましたが、以下では私立薬学部の悪い点を解説します。

デメリットもきちんと把握しておきたい方は、是非一読を!

1.私立の薬学部は学費が高い

薬学部は、文系や理工学部などに比べても、学費が高い設定になっています。また、薬剤師になる為には、6年間大学に通う必要がある点も、学費を上げている要因です。

私立の薬学部については、偏差値が50を切っている大学もあり、科目も英語、数学、化学の学力がある程度あると入学できる場合があります。

しかし、その後の大学の定期テストに、学力が追いつかなかったり、高校と比べると勉強量の多さに悩み、留年が確定し、更に学費がかかるデメリットがある点をおさえておかなければいけません。

在籍中、お金の工面が出来ない場合には、救済措置を取れる私立もありますが、事前にまとまったお金を用意しておかなければなれる職業ではないと、自分でお金を稼ぐ様になってから思いました。

個人的な考えになりますが、偏差値が50を下回っていて、勉強や机に向かう事がストレスに感じる方は、薬学部での6年間が苦しく感じるはずです。

医学部程ではありませんが、私立の薬学部は多くのお金がかかる点がデメリットになります。

2.留年率が高い

私立大学の薬学部は、他の学部に比べると留年しやすい傾向があります。

薬剤師になる為の単位が決まっていて、毎日過密なスケジュールの中、進級を目指します。テストを乗り越える期間も1ヶ月単位で準備しないと、直ぐに再試験までいってしまいます。

再試験が多すぎて、留年してしまった方や、勉強しているけれど、再試験の量とテスト範囲が広くて間に合わないケースもあります。

薬学部では1年生のテストが、最も簡単で、比較的基礎的な科目になります。しかし、どの私立大学にも、1年生から留年をしてしまう学生が一定数います。

理由は、勉強についていけなかったり、1人暮らしで、学校に来なくなったり、遊び過ぎてしまったりと様々ですが、1年生のうちから留年をしてしまう人は、正直大学を卒業するのは、厳しいと思います。

特に薬学部の勉強量についていけないと思う1年生は、今後さらに膨大な勉強量が待っているので、留年してしまう可能性が上がってしまうでしょう。

実際に、私の出身大学で1年生から留年してしまう方は、そのまま大学を去るか、2年生、3年生と上がっても何度か留年をしていました。

留年者は、留年した者同士とグループを形成する事があり、モチベーションが高ければ良いのですが、あまりに負の連鎖になってしまうと、グループ同士で再び留年を繰り返してしまいます。

必ずストレートで薬剤師になるんだという強い気持ちを持って、6年間を乗り越えて欲しいと思います。 

3.研究職の就職先に弱い

私立に通う薬学生の内、研究者を目指す学生はとても少ないです。

私の周りにも、研究職志望の人は、学年で数人いるかどうかで、学年全体に対しての人数は多くありませんでした。

私立の大学では、研究にそこまで力を入れていない薬学部も多く、器具の使用方法や、論文のイロハを理解しないまま卒業する学生も一定数います。

仮にその状態で、研究職を目指しても、入ってからかなり苦労しますし、企業に就職せずに、大学院に進む薬学生の数が、少ないので、限られた大学のみの情報しか出回っていないデメリットがあります。

大学時代の先輩で、大学院生として、出身大学ではなく、国公立へ進学した方がいましたが、周りに大学院に進んだ実例者が少なくて、1から自分で調べる羽目になったと聞きました。

また、製薬企業の研究職の就職活動は、周りが修士や博士を取得している薬学部出身者が多い事から、薬剤師のライセンスだけを取得していても、かなり厳しい就職活動になるでしょう。

調剤薬局やドラッグストアの就職には困りませんが、製薬企業の研究者のポストは難しいと言えます。  

国公立の薬学部の良い点は?

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本項では国公立の薬学部のメリットについて解説していきます。学費が安いという点以外にも様々な良い点があるため、それらを一つずつ説明していきます!

1.国公立の薬学部は学費が安い

国公立の大学を目指す理由の中で、大きなメリットが学費の安さになり、私立の薬学部と比較しても4分の1程度の学費で卒業することが可能です。

国公立の薬学部が学費を安く出来る背景には、国が若い世代に期待している事や、優秀な人材には、コストをかけないで、薬剤師になる環境を与えてくれていることが挙げられます。

また、社会人になってから、薬学部を目指したり、医学部を目指す方は、世の中にいますが、家庭を持っていたり、お金に余裕がないと、選択肢として国公立に絞られる傾向にあります。

人よりも学ぶ意欲が高く、優秀な学力を持っている方からこそ、国公立は学費が優遇されると言えますね!  

2.質の高い研究を行える

国公立、私立の研究室全てには、当てはまりませんが、国公立では、著名な教授が多数在籍していたり、論文に対しての実績が私立の薬学部よりもあります。

また、研究職や研究者として、夢を描いている学生が多いのも国公立になります。

私立と国公立の進学先を考えると、就職組の割合が、圧倒的に多いのが、私立出身者の薬剤師になり、逆に国公立出身の薬剤師は、大学院に進んだり、研究者や大学に就職するケースが多いです。

もちろん国公立出身でも、企業に就職する方もいますが、博士号を取得して、研究を行う方が多いのが、国立大学の薬学部です。

特に創薬関連の基礎研究については、昔から実績がありますし、大学によっては、研究費用が潤っているところもあるでしょう。

私立と国公立では、教員の数や大学院生の受入数も、断然国公立の方が多く、手厚い環境で研究を行う事が可能です。

薬学部の生徒数が少なく、講師が多いので、生徒1人当りに対応出来る体制が整っています。

国公立は私立に比べて研究室の総合力が勝っている点が魅力になります。  

3.大学院に進学しやすい

薬学部には、研究、実験をメインとする創薬の学科を設立している大学もあります。

6年間通うのではなくて、4年間みっちりと研究者を目指す為の学科であり、6年間の薬学部と異なり、薬剤師の免許を取得する事が、原則出来ない点が違いになります。

薬剤師の免許を取りたい方は、国公立でも、6年間の学科に通いますし、研究メインで学びたい方は、4年生の学科になります。

国公立は、次世代の研究者を育成する場所でもあるので、どちらにも対応できる学科を設立している事が多いです。

薬学部で4年制の学部は、理工学部などの理系と同様に、大学院まで進んで、その後に就職や大学に残る事が多く、6年制の薬学部でも、国公立は研究に力を入れているので、薬剤師の資格を手に入れても、大学院に進む事が出来る点が魅力です。

例え、国家試験に落ちても、研究を行いながら翌年に再チャレンジする事が出来るので、学ぶ事が好きな方には、最高の環境だと言えるでしょう!

国公立の薬学部の悪い点は?

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国公立大学にも、もちろんデメリットはあります。学費の安さに隠れてあまり見えづらいかも知れませんが、それら悪い点について以下説明します!

1.国家試験対策時期が遅い

私立に関しては、6年生が始まる前や始まってから直ぐに国家試験対策の授業や、外部から講師を招いて勉強漬けの毎日を過ごします。

しかし、国公立は6年生になっても、研究室で実験を繰り返し行っていたり、机に向かって国家試験対策が出来ない程の卒論に追われるスケジュールになります。

大学や研究室が、薬剤師国家試験の資格取得を優先に考えている訳ではありませんので、試験ギリギリまで研究を行っている事があります。

外部から委託されてくる国家試験対策も、年が明けてから始まるため、研究の合間に勉強を行ったり、土日だけの勉強時間になってしまったりと、国試の対策が後手に回る恐れがあります。

実際に、優秀な方が多いはずの国公立でも、私立より国家試験の合格率が悪い国公立の薬学部もあります。

研究にあまり熱を入れたくない方で、薬剤師の資格を取得する事を第1優先にする場合は、必ずしも国公立が適している訳ではありませんので、目的を考えて意識する必要があると言えるでしょう。

もちろん学費面では、私立の方がデメリットが大きいので、大学の国家試験合格率とのバランスを考えて、選択する事が必要になるでしょう!

2.就職活動時期が短い

私立大学は5年生の時から就職活動を行う方が多いです。また調剤薬局やドラッグストアに就職希望の学生は、国家試験を受けた後の3月まで就職活動時期があり、非常にゆとりを持って就職活動を行う事が出来ます。

国公立の場合は、就職活動時期を明確にして、行動しなければいけません。その理由が、実験、研究の忙しさになります。

就職活動を準備する前から研究に没頭していたり、製薬会社に対する就職活動期間が長いのにも関わらず、毎日夜まで実験を行う事があるので、活動時期が短く、十分な対策を行えない場合があります。

大学院へ進む方であれば、問題ありませんが、企業に就職しようと思っている学生は、私立と比べて就職活動時期が短くなる可能性が高い事を、意識しておくと良いでしょう。

特に5年生の1年間は実務実習、研究、就職活動が一気に来るので、国公立の方は注意して下さい! 

3.他学生との交流がすくない

国公立は多くの学部があり、他学部生と多くの交流があると思われがちですが、実際には薬学部単位で講義を受けたり、共に行動する事が多く、思っている程、他の学部と接点がなく卒業してしまいます。

薬学部独自の単位や実習カリキュラムが決まっているので、他の学部とは、サークル活動が主な接点になるでしょう。

しかし、国公立の薬学生は、非常に忙しく、夕方過ぎまで実習を行う事も普通ですので、1年生や2年生までサークル活動を行っていたけれど、学部での忙しさが増していくにつれて、サークル活動からフェードアウトする傾向があり、交流も限定的になってしまいます。

国公立では、薬学部の定員の枠が少ない点も、学部内同士で交流が少ない要因になっています。

私立大学では、1つの学年で300人以上の同級生と接触を持つ事が出来ますが、国公立では1学年の定員が50人であったり、80人と少人数である事が多いです。

クラスも国公立は基本1つであり、同級生同士は、密な関係になれるかもしれませんが、基本的に新しい交流がないまま、6年間を共に過ごします。

私立はクラスも2つ、3つ分かれて講義を受ける大学もあるので、薬学部内での交流が非常に多いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

薬学部における国公立、私立の学費について熱く語りました!私立薬学部や国公立薬学部の良い点や、悪い点について、少しでも理解が深まれば幸いです!

また、本エントリーが、薬学部を目指す方にとって、ほんの少しでも役立つ記事になっていれば、これ以上嬉しいことはありません!

基本的に学費はそこまで大きくは変動しませんが、もし薬学部全体において、大きな学費の変更などが起こった際は、それに合わせて本記事もアップデート予定です!

それでは、また。 

 

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