認定薬剤師の資格には、有効期限があります。期限が来るまでに必要な単位を集めなければ更新はできません。
しかし、「更新期限が迫っているのに単位がたりない」と直前で焦ってしまうこともありますよね。そのようなときは、いかに効率よく短期間で必要な単位を集められるかが鍵を握ることになります。
今回は、単位をどうにか取得したいと考えている薬剤師に向けて、研修認定薬剤師の単位を取得する方法をご紹介していきましょう。
以下、目次です。
認定薬剤師の更新方法は?
認定薬剤師の資格には感染制御認定薬剤師や小児薬物療法認定薬剤師、救急認定薬剤師など、20種類以上のものがあります。
なかでもとくに取得者が多いのが研修認定薬剤師です。そのため今回は、研修認定薬剤師の更新方法について見ていきましょう。
(※以下の記事に認定薬剤師の詳細についてまとめているため、気になる方はそちらもご参照ください。)
①必要な単位を集める
研修認定薬剤師の更新をするためには、次の条件を満たす必要があります。
- 3年間で30単位を取得している
- 1年間に5単位以上を取得している
研修認定薬剤師は3年ごとの更新となっているため、3年以内に30単位を取得しなければなりません。なお、1年間で最低5単位は取得しておく必要があります。
もしも年間に5単位を取得できなければ、更新ではなく新規申請の扱いとなるので注意してください。
ただし、妊娠や出産、病気などにより単位の取得が難しい場合は最大1年まで更新を延長できます。
なお、延長した期間中に取得した単位は認定の対象外です。
②必要書類を準備し更新料を支払う
更新期限の約2か月前に「更新のお知らせ」が届くので、お知らせが来たら更新の準備を意識しましょう。
更新の申請書、認定シールを貼った研修ポートフォリオ手帳、更新料を振り込んだ証明のコピーなどを準備して提出します。
認定薬剤師の更新で単位が足りない時の対処法は?
更新のお知らせが来てから「そういえば単位がたりない!」と慌ててしまうこともあるかと思います。しかし、そう慌てる必要はありません。
単位はさまざまな方法で取得できるので、うまく対処していけば更新の必要な単位を集められます。
①:e-ラーニングで不足単位分だけを集める
もっとも手軽に単位を取得できるのが、eラーニングです。
パソコンやスマートフォンを使って動画を視聴し、最後に確認テストを行えば終了です。必要な単位数に合わせてコースを選べば無駄もありません。
eラーニングのサイトにはいくつか種類があり、サイトによって料金が異なります。
手頃な価格のe-ラーニングを選ぶのもよいですが、自分が勉強したいと思える講座が用意されているサイトを選んだ方が、ただの単位集めにならずに済むでしょう。
以下の記事に薬剤師向けeラーニングの詳細を記載している為、合わせて参考にしてみて下さい。
②:オンラインによる勉強会へ参加する
気になる講座があれば1つから受講できる、オンラインの勉強会も便利です。
1講座2,000~8,000円ほどかかりますが、必要な単位だけ狙って取れることがメリットと言えます。
ただし、講座によっては申し込んですぐに受講できるわけではなく、数日後もしくは数週間後の開催日まで待たないと閲覧できないものもあります。
単位取得の期限までにあまり余裕がない方は、講座の開催日もしっかり確認して受講しましょう。
③:通信講座研修を受ける
通信講座に申し込むのも一つの方法です。
大学教員や現場で働く医師や薬剤師などが作成したテキストを使用できるため、現場の肌感に近い知識を得られます。
また、添削が用意されていることもあるため、しっかり知識を習得できたか確認することも可能です。
ただし、ほかの方法と比べると単位を取得するまでにやや時間がかかります。最低でも1か月はかかると見ておいたほうがよいでしょう。
一部の通信講座はスクーリングへの参加が必要なものもあるため、仕事をしながらだと日程の調整が難しい場合もあります。
そのため、通信講座はやや時間に余裕がある方向けです。
④:MRやMSに直近の単位が取得できる勉強会を聞く
MRやMSに、勉強会の開催予定がないか聞いてみるのもよいでしょう。
勉強会はMRやMSが主体となって開催するものも多いため、尋ねてみると意外と教えてもらえます。
ただし、単位取得の対象外となる勉強会もあるので、単位が貰えるかどうかはきちんと確認しましょう。
⑤:地方の薬剤師会の勉強会に参加する
日本薬剤師研修センターのホームページでも開催される予定の勉強会が、一覧で公表されています。勉強会は定員に上限があるものも多いので、気になるものがあれば早めに申し込むのがおすすめです。
ほかにも勉強会の情報が公表されているサイトが多くあるので、職場や自宅の近くで開催されるものを探して参加してみましょう。
⑥:自己研修を行う
実は、eラーニングを使ったり勉強会に参加したりしなくても、自己研修によって年に5単位までなら取得できます。たとえば、個人で購入した書籍、単位が貰えない学会への参加などが対象です。
薬剤師研修支援システムへアクセスし、受講単位の申請からどのような自己研修を行ったのか教材名や研修日、学んだ内容などを記載して申請します。
最大15単位までは自己研修で単位を取れるので、うまく活用しましょう。
認定薬剤師を更新する際の注意点!
認定薬剤師の更新に必要な単位を無事に集められたとしても、うっかりしていると更新できなくなることがあります。
単位を取得するには時間もお金もかかりますので、無駄にしないように気をつけましょう。
①:申し込み期限を守る
決まった期限内に更新しなければ、いかなる理由があっても認定薬剤師の資格は失効します。必ず期限を守って更新を行ってください。
ただし、妊娠出産や病気、家族の介護や海外赴任などによって更新が難しい場合は、最長1年間を原則として、認定期間を延長してもらえます。
なお、「忙しくて更新できなかった」「引っ越しで余裕がなかった」などの理由は延長理由として認められません。
②:毎年の最低取得単位数を忘れないようにする
年間に、最低でも5単位は取得することがルールです。
合計単位は取得していたとしても、5単位未満の年が1回でもあればアウトになります。
「あとでまとめて単位を取ろう」と思わずに、計画的にコツコツと単位を取得していきましょう。
自己研修を行っていれば過去の分も申請できます。
もし5単位にたりない場合は、自己研修として申請できるものがないか見直してみてください。
③:定期的に認定シールの管理する
受け取ったシールは、早めに貼っておきましょう。万が一なくしてしまっても、再発行はできません。こまめにシールの確認をしておけば、更新期限が近付いてから慌てて単位を集める必要もなくなります。
なお、認定シールは令和3年に廃止となり、現在はPECS(薬剤師研修・電子認定システム)での管理が必要です。
これまでに受け取った認定シールは引き続き利用できるので、なくさないように管理しておきましょう。
④:勉強の日と休みのバランスを考える
薬剤師は日々の勉強も大切ですが、しっかり休むことも同じくらい大切です。
毎日のように勉強会に参加したり職場に居残りして勉強したりしていると、いつか必ず体調を崩してしまいます。
勉強する日と休みの日をバランスよく確保して、無理なく研鑽に励みましょう。
認定薬剤師におすすめの転職サイト!
「認定薬剤師の資格取得に励みながら、無理なく働きたい」
「資格取得に役立つ知識を、日々アップデートしながら働きたい」
このような薬剤師の思いを叶えるためには、自分にとってよい職場に出会うことが大切です。
薬剤師の転職サイトはいくつもありますが、ここでは厳選して3つのサイトについてご紹介します。
①:マイナビ薬剤師
マイナビ薬剤師は、調剤薬局はもちろん病院やクリニック、ドラッグストアや企業など幅広い業種に対応している転職サイトです。
とくにほかの転職サイトと比べるとドラッグストアの求人数が多く扱われています。
「土日休み」や「年間休日120日以上」、「スキルアップ」や「年収600万円以上可」などの条件で絞って求人を探せるため、認定薬剤師の資格取得を目指しながら働きやすい職場を探すことが可能です。
②:ファルマスタッフ
ファルマスタッフでは、正社員やパートだけではなく、派遣や紹介予定派遣の求人も扱っています。
派遣や紹介予定派遣の求人を扱っている転職サイトは多くはないため、これらの働き方が気になる方は登録必須と言えるでしょう。
休日にしっかり勉強するもよし、休むもよし。自分なりのライフワークバランスを作りたい方におすすめの転職サイトです。
③:薬キャリ
薬キャリは王道の転職サイトです。多くの薬剤師が登録しているため、迷った場合は薬キャリを選んでおくと安心です。
薬の使い分けや新訳情報、講演会のお知らせなどさまざまな情報の入手も可能です。そのため、転職サイトとしてだけでなく、日々の情報収集や勉強にも活用できます。
まとめ
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
認定薬剤師の単位がたりないときは、eラーニングや通信講座、勉強会などをうまく活用して単位を取得しましょう。
自分の都合がよいタイミングで時間を取りたい方は、eラーニングを使用すると便利です。
認定更新の2ヶ月前にお知らせが届くようにはなっていますが、慌てないで済むように計画的に単位を取得していきましょう。
日々の生活に負担をかけることなく単位を取得したい方は、ライフワークバランスを整えやすい職場を探してみるのもおすすめです。